2007-12-13

2006年新生児の53・9%

:::引用:::
 内閣府がまとめた平成19年版少子化社会白書で2006年の新生児の53・9%が30代の母親から生まれていることが分かった。晩婚化による要因が大きい。また経済的要因、仕事との両立困難、育児不安などもあげられる。
白書によると、2006年の出生数は109万2674人となり、前年に比べ3万144人増えた。特殊出生率は1・32となり、前年の1・26より0・06ポイントあがった。増加に転じたのは出生数、率ともに6年ぶりのことになる。
 ことし3月末現在での住民基本台帳人口では年少人口(0歳~14歳)は1720万人(総人口の13・7%)で、老年人口(65歳以上)は2667万5163人(21・0%)と「少子高齢化がますます進行している」(白書)。
 少子化の進行に伴い、世帯構造にも変化がでてきており、2006年現在、18歳未満の未婚の者のいる世帯は1297万3000世帯と全世帯の27・3% になり、20年前(1986年)の46・2%に比べ大きく減少している。いわば20年前には2世帯のうち1世帯に18歳未満の未婚者がいたのに、現在は3 世帯に1世帯しかいない状況だ。
 白書は未婚化、晩婚化の進行も指摘しており、2006年の婚姻件数(73万971件、対前年比1万6706組)と婚姻率(5・8、対前年比0・1上昇) はともに5年ぶりの増加に転じたものの、1970年代前半(10・0以上)に比べ半分近くにまで落ち込んでいる、と報告している。
 日本人の平均初婚年齢は男女ともに上昇傾向にあり、2006年現在では夫が30・0歳、妻が28・2歳と対前年比で、ともに0・2歳上昇した。
 これに伴い、出生したときの母親の平均年齢は第1子が29・2歳、第2子が31・2歳となっており「晩婚化、晩産化が少子化の原因になっている」。
 また、結婚する意欲はあるものの、独身者が未婚でいる理由について、国立社会保障・人口問題研究所は出生動向基本調査の結果、1.結婚の必然性の欠如 2.独身生活に利点がある3.適当な相手に巡り会わないという理由に加え、男性では結婚資金がたりない、女性では仕事に打ち込みたい、などの要因があるこ とも報告している。
 夫婦間では理想のこども数があるはずだが、予定こども数が理想こども数を下回る現象について、同研究所の調査では「子育てや教育にお金がかかりすぎる」 (65・9%)と経済的要因をあげており、25歳から34歳の若年層では「自分の仕事に差し支えるから」という理由や「家事、育児で夫の協力が得られない から」というものがいずれも2割を超えていた。
 白書は「経済的負担の大きさのほか、仕事と子育ての両立の困難さ、妻の育児不安の増大、夫が家事や育児に十分な時間をかけられないことが考えられる」としている。
 50年後の日本の将来推計人口について、白書は2055年には合計特殊出生率が1・26になる、と仮定した場合、2005年の人口1億2777万人が、2055年には8993万人にまで減少。
 年少人口は2007年の1724万人から2055年には752万人となり、総人口に占める割合は現在の13・5%から、8・4%にまで落ち込むとしてい る。当然、生産年齢人口も今年の8301万人から、2055年には4595万人にまで減少し続け、逆に、老年人口は2745万人(2007年)から 3646万人(2055年)になる。総人口の5人に2人(40・5%)は65歳以上という人口構造になる見込みだ。
なお、少子化対策関係費用は17年度決算額(国負担ベース)で1兆5527億円にのぼっている。
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