2007-12-21

2008年の出国者数は1737万人、07年は0.9%減でマイナス成長続く-JTBF予測

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財団法人日本交通公社(JTBF)は12月19日に開催した「第17回旅行動向シンポジウム」で、2008年の日本人出国者数の予測を、07年予測比で 0.1%減である1737万人のとした。2007年は前年比0.9%減の1739万人と見込んでおり、どちらも夏期に開催した「海外旅行動向シンポジウ ム」での発表を下方修正した格好だ。JTBF主任研究員の黒須黒須宏志氏は「9.11やSARSなど、特に要因がない中でマイナス成長を予測するのは今ま でにないこと」と前置きした上で、「その状況で停滞気味に推移しており、今後もこの傾向が続くだろう」と、今回の予測値の背景を説明している。また、業界 関係者への08年の動向見通しのアンケートでは、約4割が「上昇」、約3割が「横ばい」と分かれているものの、黒須氏は「直接、海外旅行に関係のない人の 意見と期待値」とし、慎重な見方を示した。

 方面別では、特にヨーロッパ方面への懸念をあげ、「ユーロ高や燃油サーチャージの影響もある が、アメリカ方面からの客も減少しており、注意が必要。来年の調査で解き明かしていく」と、現在の検討課題を表明。一方、ショートホール、特に東南アジア へのシフトが長期間続くとして、「近距離デスティネーションは数を稼ぐため安売りが見られるが、海外旅行の価値を下げることになる。近場こそ魅力あること をアピールしなければならない」と力説した。また、「10年前のタイのように、ビジネスで売れた後、観光市場が広がるケースがある」として、インドなど新 しい「エマージング・デスティネーション」の登場も予測、数年先をみた長期的な視野での旅行商品の造成、送客をする市場の形成も促した。


▽燃油サーチャージで「旅行を延期」は6%、約8割は「関係ない」

  需要への影響について、業界内では現在、燃油サーチャージが話題に上るが、今回の予測に向けたアンケート調査では、海外旅行の計画への影響について「影響 なし」が55%、「気にしていない」が23%で、約8割に上った。一方、「旅行を延期した」は6%。ただし、海外旅行市場の延べ数に相対すれば「6%の影 響は少なくない」とも述べる。ただし、黒須氏は2008年の予測を2007年と同レベルの微減としたことを「単に燃油サーチャージやユーロ高ではなく、日 本の経済構造や国内への関心の高まりなどの気分的な問題」との認識を示した。

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