政府は26日、有害な汚染物質を含んだ中国産食品の日本国内への流入を未然に防ぐため、中国の農業技術者研修を新た な技術協力として実施する方針を固めた。27日からの訪中で福田康夫首相が表明する。中国産輸入食品件数は日本で1位を占めており、国内の消費者の安全を 確保するねらいもある。
政府が中国の農業技術者を研修させるのは、農産物の検査基準や監視態勢の強化を進めている中国政府の対応を待つだ けでなく、積極的に技術協力していくことで「毒性のある食品の国内流入を少しでも防ぐ」(農水省関係者)効果を期待したものだ。来夏に北京五輪を控え、国 の威信をかけて安全対策に取り組む中国政府を側面支援することで、日中関係の強化につなげる思惑もある。
中国産食品をめぐっては、平成 14年に輸入された冷凍ホウレンソウなど中国産の冷凍野菜から残留農薬が相次ぎ確認された。昨年5月には、輸入野菜の残留農薬を厳しく規制する制度を導入 したが、その後も発がん性が指摘される抗菌剤がウナギのかば焼きから検出され、日本国内で中国産食品の安全性確保を求める声が強まっていた。
中国でも検疫当局の検査の結果、きのこ類から基準値を超える二酸化硫黄が検出されたケースがあったほか、養殖魚から残留農薬や発がん性物質が検出されたとの報道もあり、中国産品の安全性への不信感が国際社会に広がっていた。
新規の政府開発援助(ODA)で実施する今回の技術者研修は、ひとまず数十人規模で日本に招き、国際協力機構(JICA)で農薬分析の技術や農薬汚染の削減方法などを習熟させる方向で調整している。
2007-12-27
中国製有害食品をブロック 首相、農業技術協力を表明へ
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