総合情報・人材サービス会社のリクルート(本社・東京)が、人材派遣最大手のスタッフサービス・ホールディングス(HD、本社・東京)を買収する方針を 固めたことが19日、わかった。買収額は約1700億円で調整している模様だ。年内にも合意すると見られ、派遣業界で突出した巨大グループが誕生する。
スタッフサービスHD会長で創業者の岡野保次郎氏が保有する同社株式(発行済みの約8割)を、リクルートが買い取る方向だ。
リクルートは、住宅や旅行などの情報誌やインターネット広告に加え、グループ内に「リクルートスタッフィング」や「リクルートエージェン ト」など人材派遣・紹介関連の企業を持ち、この分野の売上高は約1900億円で業界大手。首位のスタッフサービスHD(07年3月期で3234億円)の買 収で一気に首位に立ち、2位のテンプスタッフ(2288億円)を引き離す。
一方、スタッフサービスは最大手ながら、05年に大阪労働局から社員のサービス残業を指摘され(最終的に起訴猶予)、今年夏には熊本労 働局から偽装請負を指摘されたことが表面化するなど、イメージ低下も指摘されていた。リクルートの傘下に入ることで競争力を高めることができると判断した 模様だ。
企業はここ数年の景気拡大を受けて正社員の採用に積極的で、派遣社員の正社員化も進んでいる。人材派遣業界は新規参入が相次ぐなど急成 長してきたが、人口の減少傾向もあって人材確保が各社共通の課題となっている。今回の買収をきっかけに合従連衡の動きが活発になりそうだ。
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