2007-12-27

外国人比率県内最高の菊川市長が構想 『病院にブラジル人医師を』

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 来年は日本からブラジルへ移民が渡って百周年。ブラジル人を中心に外国人比率が静岡県内の全23市で最も高い菊川市の太田順一市長は26日、記念 すべき年の取り組みとして「ブラジル人医師を菊川市立総合病院に連れてきたい」と話した。慢性的な医師不足と医療現場の言葉の問題を解消するためだが、医 療行為をするには日本の医師免許が必要で「困難なのは承知だが、実現できるかどうか検証したい」と意欲を示した。

 菊川市の人口は約4万9700人で、うち外国人登録者数は4150人。外国人比率は8・3%で、市町村別では在住ブラジル人が全国最多の浜松市の 3・9%を上回る。菊川はブラジルの植物学者橋本梧郎さん(94)の故郷でもあり、市民の外国人との共生に対する意識が高く、外国人が住みやすいまちとい う。

 しかし市内の医師は、中核病院である市立総合病院の常勤医と開業医を合わせて約50人で「10万人に対し200人とされる全国平均の約半分」と窮状を訴える村田英之院長(54)。「こうした現状を少しでも改善できれば」と、太田市長はブラジル人医師に着目した。

 外国人の多い自治体23市町でつくる「外国人集住都市会議」に08年度から正式に参加するため、「会議にブラジル人医師の招請を提案してみたい」と語る。これに対し、村田院長は「医療現場では言葉が一番の問題。通訳も不足している」と現状を話す。

 橋本さんの教え子で5月から菊川市で薬剤師として働いているブラジル薬草研究者の井ノ上俊介さん(44)も「両国では医療制度や保険の仕組みも異なる。許可されている薬も違って処方せんが書けないため、現実的でない。通訳を増やすことを勧めたい」と提案する。

 一方、市内で最も外国人比率の高い平川地区でコミュニティー防災センター「ひらかわ会館」の事務長を務める二俣七七男さん(66)は「実現が難しくても市長の熱意は、外国人市民に伝わるはず。地域共生を推進する上で夢のある話だ」と市長にエールを送っている。


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