2007-12-30

高まる需要、タイやベトナムにも

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リタイアを迎える団塊の世代に「中国で第二のキャリアを積もう」という動きが目立ってきた。中国では、専門技術者や経営ノウハウを持つ管理責任者が不足 しているとされ、経験豊富な日本人シニアの需要が高まっている。人材派遣大手のパソナが15日に開いた説明会には、人生設計を模索する中高年層が多く詰め かけた。シニアのアジア進出はタイやベトナムなどにも拡大しそうな気配だ。(藤沢志穂子)

 パソナは12月、50歳以上の中高年を対象に海外就労を支援する講座「シニア海外仕事大学校」の第一期を開講する。1カ月間で中国語や中国の文 化・経済、ビザ取得など海外就労の基礎知識を計65時間、講義するもので、費用は11万8000円。修了後は再就職に関する情報提供も行う。15日の説明 会には希望者約20人が詰めかけた。

 パソナは過去3年間で、50代以上の中高年層を毎年20~30人ほど、グループ会社を通じ、中国の日系企業に派遣してきた。主に中国での勤務経 験者や中国語に堪能な人材だったが、「仕事大学校」では「中国に関する業務は未経験だが興味はある、という中高年層の肩を押してあげる狙いがある」(中嶋 俊彦執行役員)。将来の人生設計を考えるために現役層の受講希望も多いという。

 一方、技術者派遣が専門のメイテックは、中国に拠点を持つ日系企業に、昨年末から13人を派遣。現在は約150人の就職希望の登録者がある。丸 紅とみずほフィナンシャルグループが出資する人材派遣会社アヴァンティスタッフは、中国資本の光学機器部品メーカーに4人の管理責任者を派遣した。

 報酬は年収で300万~1000万円と、能力や職種によってばらつきがある。情報技術系の専門家や工場の現場監督者のほか、「日本型の効率経営のノウハウを中国人に伝授できる人」「銀行との交渉力を発揮できる人」といった、具体的な要望が企業側からは寄せられている。

 海外で働いても苦労の割りに期待するほどの収入を得られないこともある。それでも国内でシニアの労働市場が限られているなか、海外での人材需要 は今後も増える見通しだ。パソナでは「仕事大学校」を定期的に開講し、日本企業が多く進出しているタイやベトナムへの再就職支援講座も開く予定だ。

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