ここでは,大規模な組み込みシステム開発におけるデバッグの考えかたを解説する.自分が開発に携わっている組み込みシステムでバグが発生したときに 重要なのは,「問題の切り分け」である.この切り分けをスムーズに行う方法はある程度パターン化できる.そのパターンを押さえていれば,いろいろなシステ ムのデバッグに適用できる.
(編集部)ある日突然システムがハングアップ! さてどうする?
Aさんらは虹彩(瞳孔の周りの輪状の膜)を使った生体認証アルゴリズムを開発しました.この方法は,従来のものと比べて認識の誤差が格段に小さいという特徴を持っているため,商品化には社内でも大きな期待がかけられていました.
このアルゴリズムは,人の出入りをチェックする認証装置に採用されることになっています.施設を利用する人はあらかじめ虹彩のパターンを登録しておきます.施設に入るときには虹彩を小さなカメラに映し,登録済みのパターンと一致していれば入場できる,というものです.
開発も終盤にさしかかったとき,異変が起きました.テスト中の認証装置がときどきハングアップしてしまい,電源をいったん落とさないと元に戻らな いというのです.認識モジュールの実装にもかかわってきたAさんにも,当然火の粉が降りかかってきました.Aさんはどのようにして問題の切り分けを進める べきでしょうか?
●●コメント●●
0 件のコメント:
コメントを投稿