2008-08-05

ウイグル独立派の可能性 国際社会の眼集める狙い?治安に大きな衝撃 当局への報復

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 【綿陽(中国四川省)=野口東秀】新疆ウイグル自治区カシュガルで4日に起きた国境警備隊への襲撃事件は、手榴(し ゆりゆう)弾を使う手法などから、中国当局が「五輪開催の最大の脅威」と位置づけるウイグル独立派によるテロの可能性が強い。北京五輪に照準を合わせ、チ ベット騒乱に続いてウイグル民族問題に国際社会の眼を向けさせる狙いとみられる。五輪開幕を目前にし、万全の態勢をとっていた中国政府だが、「五輪の決定 的要素は団結、友好、平和」(胡錦濤国家主席)とはほど遠く、民族問題が先鋭化している国内の実情を露呈してしまった。

 中国政府筋は、カ シュガルが国境に近く、「新疆ウイグル自治区では分裂主義者の重点区域で、最も政治的に敏感な地区だ」と指摘する。さらに、「同自治区内でのテロは、ウイ グル族も標的となる無差別テロではなく、むしろ天然ガスのパイプラインや軍事施設が狙われる可能性がある」とし、テロ続発の危険性を訴える。

 今回の事件は、「国外で軍事訓練を受け、存在の完全把握ができない独立分子が国内外でまだ4000から6000人ほどいる。必ず何か起こる」(同筋)と当局が五輪前のテロ発生を危惧していた中で起きた。

 五輪開幕を前に中国当局は、カシュガルなどで群衆の集まる道路、駅、商店や高速道路に治安部隊を増強配置ししていたが、犯行の背景には、中国の治安に対する不安を国際社会に広めさせる狙いもあったようだ。新疆ウイグル自治区は、イスラム教徒のウイグル族が主体で、清朝以来、中国からの分離・独立を背景にした反乱、暴動が繰り返されてきた。独立派組織 は、支配する漢民族に対するウイグル族の歴史的反発を背景に、中央アジア諸国を拠点に国内外でネットワークを広げ、1990年代に相次いだ大規模な爆破テ ロや暴動を起こしたとみられている。

 これに対し、中国当局は五輪を前に摘発を強化。昨年1月には、独立を綱領に掲げ中国政府がテロ組織とみなす「東トルキスタン・イスラム運動」(ETIM)のメンバー18人の殺害を発表した。同組織はパミール高原地帯でテロ訓練基地を設立していたという。

  さらに、今年1月から7月にかけ独立派アジトを急襲するなど、少なくとも20人以上を射殺。4月には爆弾や毒物混入テロを計画したとしてETIM関連組織 を摘発し45人を拘束した。また、7月に入り、カシュガルの裁判所でETIMのメンバー2人に死刑判決を下し、即日執行した。

 襲撃は当局 の摘発に対する報復との見方がある一方、ウイグル系組織は「中国当局は無差別逮捕、拷問、殺害、モスク建設規制など宗教弾圧を繰り返してきた。どちらがテ ロなのか」と反発をくり返してきた。国を挙げての大イベントである五輪が迫る中、中国当局はウイグル独立派の動向にさらに神経をとがらせている

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