2008-08-29

外国人介護士・看護師の来日…福祉の「戦力」へ 十分な研修必要

:::引用:::
日本が初めて受け入れる外国人介護士、看護師として、今月、約200人のインドネシア人が来日しました。全員が同国の看護師資格を持っており、日本 語研修を半年間行った後、全国の介護施設や病院で働き始めます。介護士は4年後、看護師は3年後に日本の国家資格の取得を目指します。

 今回の来日は、日本とインドネシアの間で結ばれた経済連携協定(EPA)に基づくものです。EPAは、貿易自由化や労働力の受け入れなど、経済関 係を強化する取り決めです。インドネシアとの間では、日本の介護福祉士の資格取得を目指す介護士600人、同じく看護師資格取得を目指す看護師400人の 計1000人を2年間で受け入れます。フィリピンからも2年間に計1000人の介護士、看護師を受け入れる予定のほか、タイとは介護士の受け入れを協議し ています。

 日本では、介護、看護分野の人材不足が深刻です。一部の介護施設では必要な介護職員を確保できず、施設の一部を閉鎖する事態も起きています。高齢 化で、今後10年間で40~60万人の介護職員が新たに必要になるとされ、人材確保は重要な課題です。看護師も同様の課題があります。

 しかし、政府は、今回の受け入れは人手不足の解消が狙いではなく、両国の経済交流を強化する一環と位置付けています。国内の介護、看護関係団体も、人手不足は労働条件が悪いためであり、外国人労働力に頼る前に条件を改善することが先だと主張しています。

 とはいえ、少子高齢化が加速する将来は、福祉分野以外にも外国人の力が不可欠になるという見方もあり、今回の受け入れはテストケースとしても注目されます。希望を持って来日した外国人に力を発揮してもらえるかどうか、受け入れ側の姿勢が問われます。

 インドネシア人は来日後、働きながら高校生レベル以上の日本語を習得し、日本語で国家試験を受け、不合格なら帰国します。受け入れ施設や病院は、 単なる労働力の補充としてではなく、外国の文化や習慣を尊重しながら、十分な研修を実施することが求められます。サービスを受ける私たちも、介護や医療の 一部を外国人が担うことの是非について、真剣に考える時期にあります。(小山孝)


●●コメント●●

0 件のコメント: