2008-08-28

「人間らしい生活を」悩む介護労働者

:::引用:::
  利用者からの「ありがとう」の言葉が支えになっている半面、介護・福祉労働者は「どうしたら人間らしい生活ができるか」などで悩んでいる-。介護・福祉労 働者の厳しい実態を浮き彫りにした日本医療労働組合連合会(日本医労連)の「介護・福祉労働者の労働実態調査」報告書。自由意見では、4500人を超える 労働者が現場の改善を訴える悲痛な声を寄せている。

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  賃金に関しては、「あまりにも低く、若い男性は結婚したくてもできない状態で、職場を去っていく」(介護福祉士)や、「続けたいと思っても、現状では続け られない。女性でも安心して子供を育てながら仕事ができるようにしてほしい」(ヘルパー)など、低賃金が離職につながっている問題を指摘する声が相次い だ。

 人材不足については、「今の介護保険制度では、いくら頑張っても報われない。人手不足が仕事を過密にし、さらに人手不足を促す可能 性がある」(理学療法士)や、「人手不足では十分な対応が不可能。まず職員が健康で元気でなければ、いい介護を提供できない」(ヘルパー)など、人材確保 を求める意見が相次いだ。

 また、「現在の社会を築いてきた高齢者を大切にせず、弱者をどんどん切り捨てるやり方は見ていられない。介護 現場を支える労働者と高齢者の生活を充実させるよう、政策を転換してほしい」(介護福祉士)など、政治や行政の姿勢に疑問を投げ掛ける声のほか、「介護現 場は、労働者のボランティア精神で持っているようなもの。結局は、利用者へのしわ寄せになっている」(ケアマネジャー)との指摘もあった。

 報告書では、厳しい現場の実態だけでなく、介護・福祉の仕事をしていてよかったと思うことについても紹介。「利用者との信頼」や「利用者の笑顔」、「ありがとうの言葉」を挙げる声が多く、利用者との良好な関係が労働者を支えているようだ。
 一方、必要な人員配置と生活を守る賃金保障などが不可欠とする声が相次いでおり、「国庫負担など財政支援で労働環境を改善することが、労働者の仕事の継続に欠かせない」などの意見が多数を占めている。

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