2008-08-23

中高年的 中国留学  社会人の経験生かし

:::引用:::
県が姉妹友好州省を結ぶ中国・山西省の山西大学に、県内の中高年の男性2人が9月から1年間、奨学生として派遣される。30年以上勤めた会社を辞め、現役大学生らとともに留学する2人は「中国で学んだことを埼玉に還元したい」と、第二の人生に意欲を燃やす。(八木陽介)

携帯音楽プレーヤーで中国語を聴く池田さん
 川越市の池田澄夫さん(57)は大手リース会社に勤務し、広島、仙台の支店長を歴任した。川越市に引っ越した2007年4月、市広報紙の中国語教室の案内に目が留まった。「もう1回、やってみようかな」
 中国語は10年ほど前、少し勉強したことがあった。教室をのぞくと、熱心な中国人講師に触発され、忘れかけていた向学心がわき起こった。「サラリーマン生活はもう十分」という思いもあり、4か月後の07年8月、32年余り勤めた会社を早期退職した。以来、どっぷりと中国語につかる毎日。現在は川越、所沢、入間市の公民館で計四つの中国語教室を掛け持ち受講している。移動中も携帯音楽プレーヤーで中国語を聴き、年末年始は北京の語学学校に通った。
 留学中は語学を磨き、企業人だった経験を生かして現地の企業を訪ね、県内に紹介できないかと考えている。「山西省の情報は埼玉にはほとんどない。お互いの交流が深められるようなことをしたい」と目を輝かせた。
 富士見市の佐々木厚さん(60)は大手電機メーカーを辞め、早稲田大学のオープンカレッジで中国語を勉強中。埼玉大学の開放授業でも学生と経済学を学ぶ。地域のソフトボールチームでは捕手として活躍するなど、現役大学生顔負けの日々を送っている。

「学生に戻ったよう」と勉強を楽しむ佐々木さん
 メーカーに勤務したころは営業や企画を担当し、愛知、大阪、福岡などを転々とした。気づくと、会社の中心は自分より下の年代に移っていた。「残り2年を会社のために働くより、健康なうちに好きなことをしよう」と、58歳になる直前の05年末に早期退職した。
 合弁会社の責任者として中国・深センに3年ほど駐在したが、中国語は覚えられず、悔しい思いをした。中国の近現代史にも興味があったことから、退職後は趣味で中国語を学び始めた。
 留学後は、ハルビンなど中国の東北地方に残る近代建築を見に行くのが楽しみ。帰国後は中国語検定を受け、「語学を生かしたボランティアができれば」と考えている。
   ■県、海外3大学に派遣
 県は山西大学のほか、姉妹友好州省を結んでいるメキシコ・メキシコ州の州立自治大学、米国・オハイオ州のフィンドレー大学にも奨学生を派遣している。今夏は20歳代の大学生を中心に男女10人が海を渡る。
 現在は09年度の奨学生を募集中。対象は県内在住か在学の高卒者以上で、年齢制限はない。締め切りは9月16日。書類提出や面接などを経て09年2~3月に決定する。定員は山西大5人、州立大4人、フィンドレー大1人。問い合わせは、県国際課(048・830・2713)。
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