2008-08-23

日本語の苦労解消 外国人児童の読み書き支援

:::引用:::
ボランティア講師派遣 県国際交流協 講座修了者や外国人対象
 県内の学校に通う外国人の子どもたちに、日本語を習得してもらおうと、県国際交流協会(岡山市)は、日本語指導のボランティア講師を派遣する「子ども日本語学習サポート事業」を始める。読み書きや会話がうまく出来ず、学校の授業についていけない外国人の子どもは、県内の公立の小中高校などに100人以上いるという。同協会は「学校も努力しているが、人材が足りずに苦労している。サポートしたい」としており、ボランティアの募集を始めている。
 広島入国管理局によると、県内には外国人登録者が2007年末現在で約2万2000人おり、5~19歳は約1700人。外国人の子どもたちは、各市町村の教育委員会が受け入れを決めれば、地域の学校に通える。しかし、学校に入ったからといって、簡単に日本語を習得できないケースも目立つという。
 4年前に来日した総社市駅前町、NPO法人職員ノダ・ヘジナさん(43)は長女のアケミさん(14)について話す。「小学5年の時、学校の授業がわからず、毎日泣いて帰宅していた」。日常会話は出来ても、読み書き出来ないためテストで何が問われているかさえ理解できなかったが、中学校に進み、教諭が週に1回、補習をしてくれて理解できるようになった。
 ヘジナさんは「小学校の時から週に1度でも、少人数で日本語を教えてもらえれば、もっと理解できたかもしれない」と話す。
 学校によっては日本語を教える授業を設け、放課後に特別に教えるなどしているが、教諭側も子どもらの母国語で教えられず苦労している。県教委から教諭が特別に派遣されている総社市の市立中央小では、ブラジルやフィリピンの児童約10人に、週3回、国語の時間に別の教室で日本語授業を行うなどしている。しかし、林直人校長は「子どもたちの日本語の力はまちまちで、十分に指導できているとは言い難い」と話す。
 同協会には、県内に住む外国人から「娘を本国から呼び寄せたいが、娘は日本語が話せない」「子どもが日本語が分からず不登校になった」という相談が相次いでいる。協会は学校側の悩みも知った上で、学校や地域の要請で講師を派遣する仕組みを作ろうと決めた。従来から外国人に日本語を教えるボランティアの養成講座を開いており、「子ども教育を対象にした講師を育て、少人数にじっくり教えたい」とする。
 対象は、この講座を修了した人や日本語の出来る外国人ら。9~10月に計2回開く講座の受講者を登録。学校や地域、個人からの要請で講師を派遣する。講師は子ども数人を集めて日本語を教えるほか、子どものそばにつき、授業の理解を助けることも想定している。問い合わせは同協会(086・256・2914)。
(2008年8月22日 読売新聞)
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