2008-08-27

言葉の助っ人求む 災害時に外国人を手助け

:::引用:::
地震などの災害発生時に外国人被災者を語学面から支援する市民ボランティア「災害時語学サポーター」制度を県国際交流協会が導入して1年がたち、これまで に85人が登録した。だが英語が6割を占める一方、県内に約8千人いるフィリピン人(主にタガログ語)のサポーターがいないなど、偏在が悩みだ。同協会 は、万が一に備えて関東広域でのネットワーク作りで補うとともに、「外国語のできる人は登録してほしい」と呼びかけている。(川上裕央)
 同協会が主催した研修会が24日、水戸市であった。地震発生を想定したロールプレーだ。
 外国人被災者役「外でいろいろアナウンスがあるみたいですが、日本語だから全然わからない」
 サポーター役「いま応急危険度判定といって建物がどれくらいダメージを受けているかをチェックしています」
 研修会には約20人が参加した。牛久市の森房正和さん(62)は大学時代にフランス語に触れて以来勉強を続けてきた。「定年でフリーになったので、語学を生かして人に喜んでもらえるなら」と意気込んでいる。
 研修会では、外部講師が「単なる翻訳機ではなく、問題や不安を抱えた人が解決できるようサポートして下さい」と助言。中国出身の筑波大大学院生刀克 (チョウ・コク)さん(35)は「情報提供や相談への応対の仕方など他の言語の人の意見も聞けて勉強になった」と話した。サポーターたちは常陸大宮市内で 30日に実施される防災訓練にも担当言語で参加する予定だ。
 県内の外国人登録者数は、91年の1万7106人から07年末現在で5万5409人(速報値)と3倍以上に増えた。協会には従来から国際交流を目的に語 学ボランティアの登録制度があったが、「外国人イコールお客様から生活支援へとニーズが変化した」(岩本郁子・交流推進課長)。阪神大震災や新潟県中越地 震で被災外国人向けの情報の必要性が明らかになったこともあり、07年度から災害時語学サポーター制度を導入した。同年7月に起きた新潟県中越沖地震の際 は、タイ語などでライフラインや罹災(り・さい)証明書発行に関する文書を翻訳するなどサポーターを活用している。
 サポーターは8月現在、14言語で85人。英語が53人と最も多く、常総市を中心に多く住む日系ブラジル人のポルトガル語が5人、タガログ語にいたってはゼロと、言語によって偏りが大きい。
 協会は、特定の言語でのサポーター不足を補うため、他県との連携強化に乗り出している。関東・甲信地方の自治体で構成される連絡協議会で、災害が起きた 場合、県を超えてサポーターを派遣し合う仕組みを作っていく考えだ。同時に「県内のサポーターを増やせるように積極的に探していきたい」とサポーターを広 く募っている。
 同協会への問い合わせは(029・241・1611)へ。
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