2008-08-20

外から見た日本語(8) 外国人悩ませるカタカナ語

:::引用:::

 私たちの日常生活は、驚くほどたくさんのカタカナ語で溢(あふ)れかえっている。英語からの外来語が圧倒的に多いのだが、カタカナに直すのももどかしいとばかりに、アルファベットのままの表記がまかり通っていることも最近は目立つようになってきた。

 この一両日に筆者が目にしたダイレクトメールにも、「News Letter」「Service」「Contents」「Check」などがその まま書かれていた。「英語のまま」はまだ少数であるが、IT、ファッション、スポーツなどのほかに、経済、医療、保健福祉などの分野にも、カタカナ語は広 く使われている。

 国立国語研究所からは、この問題に取り組んで検討した結果を言い換え案として刊行した、分かりやすい表現の提案が出されている。なるほどと思う言い換え表現も多数あり、工夫の過程が推測できるので、読んでいて面白い。

 しかし、そのような試みも、カタカナ語の勢いを止めるには至っていないように思われる。

 もともと英語なのだから、英語母語話者には簡単に分かるだろうと思う人には意外だろうが、カタカナ語は彼らにとって非常に分かりにくい語彙(ごい)グループだと言われる。それには、色々な原因が考えられる。

 まず、カタカナ語として定着する過程で発音が日本語化する。音の質の違いはもとより、原語が閉音節(子音で終わる音節)であっても、日本語は基本的に開音節(母音で終わる音節)なので、子音の連続であったものに母音を挿入して行く。

 一音節のstrap がストラップと五音節(五拍)になり、二音節のpineappleが六音節(六拍)のパイナップルになるというわけである。結果として原語の発音とは似ても似つかぬカタカナ語が生まれることになる。

 また、アクセントを平板化させることも最近の傾向である。ゲーム、メジャー、マイナー、スニーカーなどがそれに当たる。

 発音の日本語化は、それでも規則性があるので、それに気付けば原語のかたちを復元することは不可能ではない。もっと複雑なのは、独特の縮約語と混成語、それに和製英語である。

 縮約語には、パソコン、ワープロ、混成語には合コン、写メ、和製英語にはケース・バイ・ケース、スキンシップがある。これらの語彙は、辞書にも載っていないことが多いので、日本語を外国語として学ぶ人たちを悩ませる元凶となる。

 最難関はイケメンの類である。「イケてる男」なのか「イケてる面」なのか、読者諸氏はお分かりだろうか。


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