専門的な技能を持つ外国人労働者の受け入れの一つのテストケースとも言えるだろう。
日本とインドネシアの間で締結された経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア人の看護師・介護士約200人が、今月7日に来日する。
EPAにより医療や福祉分野の人材を受け入れるのは、初めてのことだ。言葉の問題をはじめ様々な課題が山積している。
数多くの優秀な人材を集め、その能力を十分に発揮してもらうためには、国や自治体の積極的な支援が欠かせない。
半年間の日本語研修などを経た上で、看護助手や介護職員として病院や施設で働く。看護師希望者は来日から3年以内、介護士の場合は4年以内に資格を取得しなければ、帰国を余儀なくされる。
来日する全員がインドネシアの看護師資格を持っているが、わずか3、4年の滞在で、日本語による国家試験に合格出来るのか、疑問視する声もある。
東京都では、インドネシア人向けの国家試験に向けた教材の開発など支援策の検討を始めた。自治体の積極対応は望ましいが、それだけでは限界がある。政府も早急に、具体策を示すべきだ。
日本の医療、福祉の現場では、看護師や介護職員の人手不足が深刻化している。労働条件が厳しいために離職する人が多い。資格があるのに働いていない“潜在看護師”は55万人に上る。
そのため、外国人を受け入れるよりも、日本人の看護師や介護職員への待遇改善に努めるべきだとする議論も根強くある。
政府も「EPAの外国人労働者受け入れは、人手不足解消のためではない」との立場だ。
しかし、日本社会の少子高齢化が進む中で、いずれ医療、介護の現場に外国人の働き手が必要となる時代が訪れる可能性は高い。
EPAは、2年間で計1000人を受け入れるとしている。今年は、半数の500人を予定していたが、インドネシア側の応募者はこれを大幅に下回った。
男性看護師が予想以上に多く、日本側の医療機関が受け入れを敬遠した。このために組み合わせがうまくいかず、来日を取りやめた事例も少なくない。
政府はフィリピンとの間でもEPAの調印を済ませており、発効すれば、2年間に1000人の看護師・介護士が来日する。
長期的視野に立って、外国人看護師・介護士の受け入れ策を検討していく必要がある。
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