2008-08-11

開放の壁 依然高く 外国人福祉人材 受け入れ開始

:::引用:::
日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア人の介護福祉士と看護師の候補者が来日 した。福祉分野の本格的な外国人の受け入れは初めて。しかし、日本側は今回の措置を特例として厳しい条件を設け「開放の障壁」は高いまま。介護現場では受 け入れに慎重な意見もある。 (川上義則)

試験

 「国家試験に合格すれば、日本で働き続けたい。失敗しても日本人の規律正しさ、勤勉さを学び、インドネシアに持ち帰りたい」

 前日、来日したインドネシア人の介護福祉士候補ダンタさん(28)は八日、東京都千代田区の日本記者クラブの記者会見で、こう抱負を語った。

 ダンタさんら候補者は六カ月間、東京などで日本語や生活習慣の研修を受けた後、全国の介護施設や病院で働きながら介護福祉士や看護師の国家資格取得を目指す。合格すれば働き続けられるが、不合格なら帰国する。

 合格まで日本に滞在できる期間は介護福祉士で四年、看護師で三年。日本人でも現場で働きながら勉強するのは並大抵ではない。

 八日、東京都内で開かれた日本語研修の開講式。ユスフ・アンワル駐日インドネシア大使は候補者たちを応援しつつ「誘惑はあると思うが、失踪(しっそう)などせず、やり通してほしい」と念押しした。

理由

 候補者に厳しい条件が課せられるのには理由がある。

 日本が就労を認めるのは「高度人材」と呼ぶ高度技術や特殊能力を持つ人たちだけ。看護師は高度人材に含まれるが、介護福祉士は含まれない。厚生労 働省はEPAによる措置を「特例」と位置付け、受け入れる人数も制限している。これに対し全国老人福祉施設協議会の福間勉事務局長は「いずれ外国人の介護 福祉士を数多く受け入れる時代が来る」とみる。インドネシアの候補者たちには「熱意をもって来てくれている。施設側もできる限り支援する。実績を作り、将 来につなげたい」と期待する。

不足

 施設側が期待する背景には、介護現場の深刻な人手不足がある。夜勤もある厳しい労働条件にもかかわらず介護職員の報酬は低い。男性職員の賃金水準は一般労働者の六割程度。離職率は約20%と他産業に比べて高い。

 日本介護福祉士会の石橋真二会長は「介護福祉士の資格を取って働いても、生活の見通しが立たず辞める人が多い。外国人を受け入れるより、介護の労働条件を改善し、日本人の就労を促すべきだ」と訴える。

 インドネシアの介護福祉士の報酬は日本人と同等にするよう定められている。しかし日本人を含めた介護職員の賃金の源である「介護報酬」は、介護保険の財源不足から二〇〇三年と〇六年に引き下げられている。賃金を引き上げる財源の見通しは立たないままだ。


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