2008-03-10

組込みソフト技術者不足の処方箋になるか

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デジタル機器の普及などで注目のあつまる組み込みソフト産業で、ささやかれてきた人材不足への対策が動き出した。JASA(組込みシステム技術協会)が ETEC(組込み技術者試験制度)の実施を開始するなど、国や業界団体などで体系的な人材育成や技術者の技術レベルの決定基準などの策定が実施されている。

経済産業省による組込みソフトウェア産業実態調査結果によると、組込みソフトウェア技術者の不足は約9万9,000人とされており、慢性的な人材不足に陥っているといわれている。

同省では、数年前から組込みソフトを重点政策の一つに位置づけ、毎年、産業実態調査を実施するなど取り組んでいる。

こうした動きを受け、JASA は ETEC 試験に対応した年度末特別対策セミナーを今回限り、2日間コースで開催する。セミナーでは、はじめに組込みソフトウェア技術者試験クラス2とはどのようなものか、どのような出題傾向が有るかを解説。続いて、重要テーマについて講義を行い、関連した演習問題を参加者が回答し、講師が解説を実施するものだ。

ETEC(Embedded Technology Engineer Certification、組込み技術者試験制度)は、JASA が実施する、組込み業界発信の組込み技術者向け試験制度。平成18年11月より順次、組込み技術者向け試験の本試験が開始されている。

この組込みソフトウェア技術者試験は、エントリレベルのクラス2 と、ミドルレベルのクラス1 から構成され、現在、クラス2 が実施されている。クラス2の対象者は、上位レベルのエンジニアの指導のもとで、業務上の課題の発見解決を行えるエンジニア。例えば、チームリーダなどの指示指導のもとで組み込みシステムのソフトウェア開発業務をこなす、比較的開発業務経験の浅い技術者が主な対象となる。

試験はコンピュータを使用したCBT(Computer BasedTest)によって実施され、クラス2では実装工程、詳細設計、コーディング、デバッグについて出題される。

この ETEC 受験候補者向けに、3月に年度末特別対策セミナーを実施するなど、資格取得支援も活発化させている。

また、ETES(Embedded Technology Skill Standards)は、スキル基準、キャリア基準、教育カリキュラムの3つの要素を人材育成と活用に必要なものとして標準化をすすめている。
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