2008-03-19

2007年、中国機械・電子製品貿易状況分析

:::引用:::

 2007年、中国の機械・電子製品貿易は、輸出入製品構造の最適化と、貿易成長モデルの転換によって、貿易市場規模は徐々に拡大となっている。
 しかし、これらの変化と同時に、貿易摩擦、企業コストの上昇など、機械・電子製品貿易の成長を抑制するマイナス要素も、目立ちはじめている。

一、機械・電子製品貿易の現状と特徴

1、貿易輸出入総額は持続的に増加
 2007年、中国機械・電子製品輸出入総額は、1兆2004億6000万ドル(約8兆5267億元)に及び、前年同期比22.8%増加し、対外貿易総額の55.2%を占める。
 そのうち、機械・電子製品の輸出額は、13年連続して中国輸出製品のうち、第一位の製品となった。

2、輸出市場の多元化
 2007年、中国機械・電子製品の十大輸出市場は、EU、アメリカ、香港、ASEAN諸国、日本、韓国、台湾、インド、ロシア、オーストラリアとなっており、十大市場の輸出額は輸出総額の86.8%を占める模様。
 メキシコ、ウクライナ、カザフスタン、アルゼンチン、エジプトなど36の市場で輸出額が1億ドル(約7億1000万元)を超過し、前年比増え幅が45%を超えた模様。

3、電子製品の貿易成長が緩和、機械類製品の貿易発展が加速
 近年、中国におけるコンピューター、通信機器など、加工貿易を主とする製品輸出増加スピードは徐々に速度を緩めているという。
 2007年通年の通信機器輸出額は820億3000万ドル(約5826億5089万元)、前年同期比19%増加した。しかし、成長率は前年比23ポイント下降した。
 同時に、家電・消費類電子製品の同期比増え幅も21ポイント下降した模様。
 一方で、製造を主にする重工業化機械の輸出が持続的に高速増加しており、2007年自動車・部品輸出額は261億9000万ドル(約1860億2495万元)に達した。前年同期比52%し増加、増え幅は13ポイント上昇となった。
 また、建設機械、船舶、コンテナ、農業用機械、モーター、発電機などがいずれも40%以上の同期比増え幅を記録した模様。

4、貿易方式の転換が加速
 各貿易方式から見れば、一般貿易が持続的に高速増加、加工貿易の増加スピードが勢いを落とし始めた模様。
 2007年通年の一般貿易輸出額は1905億ドル(約1兆3531億245万元)で、前年同期比38.5%増加し、加工貿易輸出の同期比増え幅を15.4ポイントを上回った。
 一般貿易輸入額は1382億8000万ドル(約9821億8901万元)、前年同期比23.1%増加し、加工貿易増え幅を7.9ポイント上回った。
 また、2007年、加工貿易の輸出額は4815億1000万ドル(約3兆4201億1738万元)に及び、前年同期比23.1%増加したが、成長率は 2.9ポイント減速した。輸入額は2481億6000万ドル(約1兆7626億5566万元)に及び、前年同期比15.2%増加し、成長スピードは前年よ り3.5ポイント減速したという。

二、機械・電子製品貿易が直面する挑戦

1、対外依存度が高く、貿易黒字は引き続き拡大
 2007年、中国機械・電子製品の輸出額は7011億7000万ドル(約4兆9803億4039万元)に及び、前年同期比27.6%増加した。 
 輸入額は4989億5000万ドル(約3兆5439億9195万元)、前年同期比16.7%増加、全国輸入総額の52.2%を占める。
 2007年、機械・電子製品の貿易黒字は2021億9000万ドル(約1兆4361億3535万元)に及び、前年同期比66.2%の大幅増加となり、全輸出入製品貿易黒字の77.1%を占める。
 このような輸出志向型経済によって、国民経済を引き上げる作用が拡大するに伴って、中国経済が国際市場に影響されやすくなり、業界発展の不確定要素を増加させることとなる。

2、人民元切り上げ、原材料値上げ、企業コストが増加
 2007年、人民元切り上げ、原材料とエネルギー値上げ、労働力コストの増加、環境保護コスト拡大などが原因となって、企業の生産コストが大きく上昇、企業利益にも影響を及ぼしたと見られている。

3、国際環境の複雑化、貿易摩擦が顕著に
 中国機械・電子製品の貿易規模拡大にともない、貿易摩擦問題もますます複雑になった。
 WTO加盟後、2006年末までの中国機械・電子製品は、国外で45件の反ダンピング措置に遭遇した。
 また、テレビ、エアコン、オートバイ、自転車、ベアリング、電池など40種あまりの製品が関連措置を講じられ、反ダンピング関税などの総額は18億1000万ドル(約128億5625万元)に及んだという。

4、直面する主な問題
 現在、中国の機械・電子製品貿易企業は依然として多くの問題に直面している。
 各企業が、規模拡大、市場シェアの争奪などを目的とするため低価格販売競争が勃発し、値下げに次ぐ値下げの末、新労働法の実施による労働コストの上昇問題、材料費の高騰問題が発生するなど、状況は厳しい。
 核心技術の不足、知的財産権問題、輸出品種の単一性などの問題が、機械・電子製品貿易の発展の足枷となっている。

 中国機械・電子商会によれば、2008年、中国機械・電子製品の対外貿易総額は1兆4500億ドル(約10兆2992億元)に達する見通し。
 今後中国は貿易構造の調整、中国自主ブランドの拡大と、高付加価値製品生産などへの注力が必要とされる。

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