2008-03-19

日本語教育、海外で充実 政府、3年間で拠点10倍に

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■中国語の普及に対抗

 政府が海外での日本語教育の拠点拡充に乗り出している。現在の10カ所を3年間で一挙に100カ所程度に増やす計画だ。日本語学習者の増加に対応する一方、国策として語学や文化の海外普及に力を入れる中国に対抗する狙いもある。

 外務省所管の独立行政法人「国際交流基金」の調査によると、海外の教育機関で日本語を学んでいる人は、2006年現在で298万人。1988年の調査では73万人だったが、98年には210万人、03年には236万人と、増加の一途をたどっている。

 日本のアニメや漫画などのポップカルチャーの影響で日本語に興味を持つ若者が世界的に増えていることや、海外に進出した日本企業への就職希望者の増加が理由とみられる。

 学習者が多いのは韓国91万人、中国68万人、オーストラリア37万人の順。以下もインドネシア、台湾が続き、アジア太平洋地域の関心が高い。

 その一方で将来的な伸び悩みを予想する声もある。外務省幹部は「米国の中学や高校では外国語の授業を日本語から中国語に切り替えるクラスが増えている」と、アジアを代表する言語として中国語が次第に存在感を高めていると指摘する。

 海外での語学教育に最も熱心なのは文化大国・フランス。「日仏学院」などフランス政府が関与する教育拠点が07年現在、世界各地に950もある。中国も 04年発足の「孔子学院」を既に200カ所以上も各国に開設した。このほか英国の「ブリティッシュ・カウンシル」(126カ所)、ドイツの「ゲーテ・イン スティテュート」(101カ所)などが有名。これに対し日本は国際交流基金が運営する10カ所だけだ。

 「国際理解の基本となる語学教育について、日本は他国に比べ積極的でなかった」と危機感を強める外務省はスピードを重視。学校を新設する「直 営」方式ではなく、日本語講座を持つ海外の大学や民間語学学校に教材の提供や日本語教師の派遣を行う「フランチャイズ」方式での展開を狙う。

 支援する講座や教室に「源氏」「紫式部」など日本らしい名称を付ける案も浮上、公募を検討している。将来は中国の「孔子学院」と日本の「紫式部講座」が海外で激しく学習者を奪い合う構図になるかもしれない。
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