日本経団連は、高度な情報通信技術(ICT)に精通した人材を育てるため、教育・研究の中核となるナショナルセンター(NC)を国が設立するよう提言し た。産業界は、日本の高度ICT分野での人材不足に危機感を強めており、NCを09年度初めに本格運営し始めるよう求めている。
提言は、ソフトウエアが産業分野だけでなく行政や安全保障、医療福祉、金融分野にも影響し、国際競争力を左右すると指摘。日本のソフト ウエア産業は「圧倒的な輸入超過状態」で高度ICT人材は質、量とも不足しており、「産業界が求める人材と大学が輩出する人材との間に大きなギャップが存 在する」と不満を表した。
高度ICT人材の輩出数を、現在の年間数百人レベルから3000人規模にする必要があると試算した。経団連によると、韓国は97年に情報通信大学を設立。この9年間で730億円の予算を投じ、「高度ICT人材の教育体制確立に成功した」という。
経団連は07年4月、筑波大と九州大で実践的なICT教育を施すモデルコースを新設し、自ら支援を始めた。カリキュラムを産学協同で作り、ソフトウエア開発の第一線で働く人材を講師として派遣している。
今回のNC構想は、こうした取り組みの第2段階にあたる。教育機能のほか、モデルとなるカリキュラムの策定、全国の大学と企業の橋渡し役などを担う構想だ。
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