兵庫県内の短大二十校のうち、四校しか定員を満たしていないことが明らかになった。短大経営は今どうなっているのか。専門家らに話を聞いた。日本私立学校振興・共済事業団の二〇〇七年度調査をみると、県内では、定員に対する入学者の割合(充足率)が10%台の私立短大もあった。
募集停止中のある短大に話を聞くと、「在学生がいる間はコメントを控えたい」。
学校法人の財務状況に詳しい経営コンサルタントは「ほとんどの短大で一般入試が機能していない。出願すれば合格できるのが実情」と話す。
「例えば、総定員約三百人の比較的小さな短大で充足率50-60%に陥り、単年度赤字が二億円を超えたため募集停止となったところもある」。そして、「充 足率が90%を切るとかなり厳しい。学生集めの広報費などはかさむ一方、受験料や授業料収入が落ちても教員は減らせない」と語った。
関係者の間では「あと五年は短大の廃止が続くのでは。生き残るには、四年制に改組するか、資格に直結しない学科を募集停止するしかない」との声も聞かれる。
定員割れに歯止めがかからない背景について、兵庫県私立短大連合会の一谷宣宏理事長は「少子化の影響も大きいが、受験生の親世代で大学卒業者の割合が高まり、大学志向が強まっていることも背景の一つ」と語った。
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