地場企業が2009年度の新卒採用活動を本格化させている。バブル期以来の「売り手市場」だった08年度の傾向が続くとみられ、各社は会社説明会を前倒しで開くなど、優秀な人材確保に向けて早くも動き出している。
九州電力は昨年10月、大学3年生を対象にした合同会社説明会に初めて参加した。前年より2か月早い開催で、同社は「全国的に就職活動が早まっている。流れに乗り遅れないようにしたい」と話す。
大量出店を予定するコスモス薬品は採用活動を例年より1か月以上早め、昨年12月から始めた。合同説明会への参加も1~3月で前年の約2倍の 180回に増やし、人材確保に挑む。宮崎銀行も「早い段階で学生に接触したい」と、2月だった説明会を初めて12月に開いた。選考時期も春と秋の年2回設 け、学生獲得の機会を広げる方針だ。
ゲームソフト「レイトン教授」シリーズがヒットした「レベルファイブ」(福岡市)には、学生からの問い合わせが急増している。説明会を1か月早めて2月に開き、会場も東京、福岡に大阪を加える。
一方、グループ全体で臨む企業も増えている。JR九州は2月、グループ13社と合同で説明会を開く。初の試みで、「JR九州の話を聞いた学生が関連会社にも興味を持ってもらえれば」(広報室)と説明する。
ふくおかフィナンシャルグループも、傘下の福岡、熊本ファミリー、親和の3行の採用窓口を一本化する。志願者は3行を併願でき、第2、第3希望の銀行での採用にも道を開く。
福岡商工会議所は来月開く合同説明会で、学生向けの募集チラシに九州電力や西日本鉄道など地元大手企業の参加を大々的にPRした。「大手の名前を 出さないと学生が集まってくれない。地方の中小企業は人材不足が深刻。来場してもらい、地元の中小企業も知ってもらいたい」(商業・雇用支援グループ)と 話している。
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