2008-01-31

第40回「若年失業は本当に構造問題なのか」

:::引用:::
1990年代以降の大停滞期に、若年(15―24歳)失業率は大幅に上昇した。金融システム危機、アジア経済危機の起きた98年のマイナス成長期には7.7%に跳ね上がり、2003年のピーク時には10.1%にまで達した。

若年失業だけが特殊なのか?

 少々専門的になるが、失業を景気動向で上下する「需要不足失業率」と、需給のミスマッチが続いて景気が拡大しても残る「構造的・摩擦的失業率」に 分け、その水準を特定しようとする議論がある。特に、若年失業者についてはニート、フリーターともイメージが重なることから、日本という国の大きな社会問 題、構造問題であると解釈されることが多い。しかし、若年失業率は2002年以降の景気回復を追うように低下し、2005年には8.7%にまで低下した。

 90年代は長期停滞期であり、現在は回復期である。とすると、若年失業率の上昇も下降も、実は多くは経済全体の景気状況で説明できるものなのでは ないだろうか。もちろん、豊かな社会で若者の社会適応力が低下している、実業を重視しない教育が若者を職場から遠ざけている、自分探し志向が地道な職業観 をゆがめているなどの社会問題、構造問題があることを否定しているわけではない。しかし、景気の影響が大きいことも無視できないだろう。

 図は、年齢ごとの失業率の推移を表したものであるが、若年失業率は全体の失業率と同様に上昇し、下降している。若者の失業率は2003年をピーク に下降しているが、2003年を境に若者の社会適応力が急に上昇したり、実業を重視しない教育が改まったり、若者の自分探し志向が変わったりしたはずはな い。若者の性格や教育システムが、そんなに簡単に変えることのできるものなら、そもそも構造問題というほどのことではないものだろう。

 若年失業率を若年失業者も含む全体の失業率と対比するのはおかしいので、図には若年失業者を除いた全体の失業率も示してある。


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