蒲島知事の諮問機関「県観光審議会」(会長=吉丸良治・九州産業交通ホールディングス顧問)は、知事が掲げる「観光立県」を実現するための条例案と 行動計画の素案をまとめ、答申した。九州新幹線鹿児島ルートが全線開業する2011年に年間宿泊者数を750万人にまで増やすことを目標に据えている。知 事は答申を尊重する考えで、県は条例案を12月県議会に提案する見通し。(堀美緒)
行動計画は11年度までの4か年計画。素案では、〈1〉歴史と文化の薫り高い観光地の形成〈2〉発信力を強化し国内各地から人を招く――ことなど を戦略の柱とし、県民総参加で取り組むとしている。年間の宿泊者数は07年、691万人だが、4年後には約60万人増やすことを目指す。外国人宿泊者数も 40万人(07年)から55万人(11年)に増加するとの目標を掲げた。
条例案は、県、市町村、県民、観光事業者が連携して観光立県を実現するための基本理念や施策を定めた。地域の特産品を利用した商品開発、観光客のもてなしに関する勉強会の開催などを挙げている。
知事は「答申を参考にして、さらに熊本の良さを広めたい」と述べた。吉丸会長は「知事が先頭に立ち、県民が『協働する』行動計画が進むことで、観光にとどまらず、県内全体が盛り上がることを期待する」と話していた。
知事は6月県議会で、県内の観光資源を生かして地域経済の活性化を図ることなどを示した「観光立県宣言」を表明し、具体化に向け審議会で議論されていた。
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