2008-11-27

インド同時テロ:米英人を標的か…繰り返されるテロ

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 【ニューデリー支局】旅行客らでにぎわう鉄道駅構内に銃撃音が鳴り響き、高級ホテルから火の手が上がる。インド経済の中心都市・ムンバイで26日に起きた同時多発テロは、人々を恐怖のどん底に陥れた。

 AFP通信などによると、英植民地時代の名残をとどめるタージマハル・ホテルに武装した2人組が乱入、宿泊客が1カ所に集められ、米国か英国のパ スポートを所持していないか聞かれたという。目撃者は「犯人は少年のように若く、Tシャツにジーンズ姿だった」と語った。同ホテルからは炎と白煙が上が り、多くの宿泊客が焼け出されたほか、上階部分には客が取り残され、消防隊員が懸命の救出活動を行った。

 別のオベロイ・ホテルにも武装グループが押し入り、レストランで食事していた約40人の客を移動させ、米英人がいないか問いつめた。その様子を見た英国人の客は、すきを見て非常口から脱出し難を逃れたという。

 また、ムンバイ中心部にあるチャトラパティ・シバージー駅では、自動小銃で武装したグループが乗降客に向けて無差別に発砲したほか、手投げ弾を投げつけた。構内は逃げまどう人たちでパニックとなった。

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 今回の同時多発テロの背景には、インド北部カシミール地方の分離・独立をめざすイスラム過激派の存在が挙げられる。犯行グループの実態は不明だが、世界の注目を浴びるインド経済の拠点でテロを起こすことで、自分たちの存在や主張をアピールする狙いがあるとみられる。

 インドでは昨年以来、首都ニューデリーや北部ジャイプールなどで手製爆弾を使った連続爆破テロが発生。治安当局は8月から、ムンバイを拠点にする 国内最大のイスラム系犯罪組織の摘発に乗り出した。この組織は武器の密輸にも従事しているとされ、今回のテロに関与した可能性を指摘する報道もある。

 治安当局からは、インド海軍が今月18日にアフリカ・ソマリア沖のアデン湾で、武装した海賊が乗っ取った漁船を撃沈したことへの「報復」との見方も出ている。【バンコク栗田慎一】


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