2008-11-25

JTB、上期は減収減益で経常益4割減-海旅の苦戦反映、通期を下方修正へ

:::引用:::
  ジェイティービーの平成21年3月期中間連結業績(平成20年4月1日~平成20年9月30日)は、売上高が前年比1.4%減の6827億3300万円、 営業利益が13.1%減の110億3400万円、経常利益が42.1%減の108億8300万円、純利益は64.1%減の47億9900万円で減収減益と なった。売上高は2000年以来で最高だった昨年の69億2500万円に次ぐ規模だが、2003年以来の減収となった。

 会見した常務取 締役総合企画担当の志賀典人氏は旅行事業のうち、「主に海外旅行が悪く、結果的に海外旅行の苦戦が数字に表れた」と説明。国内旅行は売上げが前年とほぼお なじ(1億2200万円減)の3180億2900万円を維持、インバウンドは15.7%増の237億9600万円で好調であったが、海外旅行は原油価格の 高騰と世界的な経済悪化による出国者数の減少で、3.8%減の2728億9700万円、106億3600万円の減収となり、グループ総売上の減収額を上 回った。取扱人員は7.9%減の177万9414人で海外出国者推計値の減少率である8.0%減に比例した。海外事業の中でも特に、受入数が減少した在外 法人が悪化したとしている。

 経費関連では、事業拡大に向けた先行投資により、営業経費が増加。また、急激な為替変動により18億円の為 替差損を計上。これは、国内は送金日ベース、現地通貨建ての海外は期中の平均レートで換算するためで、昨年の為替差益39億3000円とあわせ、海外旅行 で約57億円の営業外損失が発生したと考えられる。

 好調な事業は、ホテル事業が40.8%増と順調に推移。今年にかけてオープンした新 宿と新橋の直営ホテルが好調で、稼働率も良いという。また、ECコンサル販売事業会社群は地方自治体の運営受託の増加により、売上高が10.1%増となっ た。また、旅行事業のうち、インターネットの販売チャネルはデザイン変更や仕入強化により10.6%増と健闘。このうち、宿泊サイトで楽天トラベルやじゃ らんなどと同じ“間貸し”サイトは、「両社よりも伸びている」という。

 こうした事業環境のなか、志賀氏は2008年下期も「円高や燃油 の値下がりは追い風になるが、経済が厳しい中で動きが悪い」と厳しい経営環境を予想。「好調のインバウンドは円高を受け、夏ごろから人数が減少。投資や新 規事業も実施するが、即効性はなく厳しい」として、通期予想を売上高1.5%減の1兆3087億円(昨年期末予測:1兆3840億円)、営業利益は 46.9%減の99億円(同:160億円)、経常利益は42.1%減の130億円(同:200億円)、当期純利益は36.2%減の71億円(同:119億 円)に下方修正した。


▽ビジネスモデルの転換へ、厳しい時期だからこそ投資計画

 中間業績では海外旅行の苦戦が 目立ったが、志賀氏は「業績が厳しかったのは在外法人で、国内の会社はそこまでひどい数字ではない」という。例えば、JTBワールドバケーションズは人数 が減り、売上が減少したものの、利益ベースでは「悪くない」とし、利益率の低い商品の人数が落ちているという。

 ただし、「長続きはしな い」として、「現行のパッケージツアーのビジネスモデルのままで今後もやっていけるか」を考えているところ。IT運賃やホテルなどの売り方が変わり、航空 便や座席数が減少するなかで、「大きなリスクをとらないとパッケージがなりたたない」とし、「ビジネスモデルの変換には大きな投資が必要。厳しい時期だか らこそ投資する計画をたてている」と明かし、来年度に向けてチャーターを含めた新展開の可能性を示唆した。

 なお、JTBでは昨年から開発していた新海外旅行系システム「新ルックシステム」を12月12日にスタートする。来年3月まで段階的に稼動していく予定で、来年上期の新商品は1月16日から順次販売する予定だ。


▽JTBグループ2008年9月期累計取扱人数
ハワイ 23万1680人(9.7%減)
グアム・サイパン 21万5888人(7.1%減)
北米 18万190人(5.7%減)
アジア計 76万2461人(8.4%減)
 中国 16万7527人(26.9%減)
 香港 6万1556人(1.7%増)
 韓国 21万1682人(5.9%増)
 台湾 8万5145人(11.4%減)
 シンガポール 2万6956人(23.5%減)
 その他アジア 20万9595人(0.9%減)
欧州・ロシア 28万721人(6.1%減)
太平洋州 8万3524人(15.5%減)

全方面計 177万9414人(7.9%減)
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