外資系企業への転職支援サイト「キャリアクロス」を運営するシー・シー・コンサルティングは11月27日、「日本人部下に対する外国人上司の意識調査」の結果を発表した。
調査は、2008年11月5~12日の1週間、インターネットを活用して行った。調査対象者は、日本に1年以上在住している25歳以上の外国人(男女)で、日本人の部下を持った経験がある人。サンプル数は542。
まずは、外国人上司が日本人部下の性格をどう受け止めているか。「働きやすさについてどう思うか」という質問に対し、「働きやすい」「やや働きや すい」と答えた人は全体で8割強。おおむね仕事がしやすいと思っているようだ。日本人部下に対し、「協調性がある」「やや協調性がある」と答えた人は全体 の7割5分。「自己主張が弱い」「やや自己主張が弱い」は、全体の4割という結果だった。
また、「日本人の部下を信頼できるか」という問に対しては、「信頼できる」「やや信頼できる」が全体の9割を占め、日本人部下は信頼できるビジネスパートナーであると評価している。
次に、「日本人の部下について、母国の部下と比べてどのような違いがあるか」という質問では、「創造性に欠ける」「やや創造性に欠ける」は合計 44.2%。また、日本人の部下は協調性が高いと評価している一方で、「変化への順応性」は、「順応性に欠ける」「やや順応性に欠ける」が半数を占めた。 外国人上司の約半数は、日本人の部下に対し、新しいものを創造する力や変化を受け入れる能力が低いと見ている。
ほかに、議論をするときに、他人との衝突を「恐れる」(22.9%)、「やや恐れる」(37%)との答えが多く、「挑戦する気持ち」に関しては、 「リスクを恐れる」(18.8%)、「ややリスクを恐れる」(38.2%)との回答。議論のスタンスやチャレンジ精神について高くはない評価だった。
「日本人の部下に対して苦労を感じていること」では、「他人との衝突を恐れる」(13.8%)、「リスクを避ける」(12.4%)、「変化への対 応力がない」(12.2%)が上位に挙げられた。「日本人の部下に対して求めること」の上位3つは、「リスクを恐れない」(10.9%)、「創造性があ る」(9.4%)、「変化への順応性」(9.4%)だった。
「同じ能力で、英語が堪能な日本人と日本語が堪能な外国人がいた場合どちらを採用するか」という質問では、「英語が堪能な日本人」(19%)が 「日本語が堪能な外国人」(4.1%)を上回った。ただ、「どちらともいえない」(31%)という評価が最も多いことから、シー・シー・コンサルティング は「国籍や語学力というより、その人自身の資質や能力に強く期待している」と分析している。
「日本のビジネスマンは、世界でも通用できると思うか」という質問に対しては、「通用する」「まあ通用する」が55.8%と半数強。だが、「日本 人ビジネスマンに将来のポジションを奪われる脅威を感じるか」という質問に対しては、「感じない」「あまり感じない」が、合計79.3%。外国人の約8割 は、日本人ビジネスパーソンに対し、ライバルではないと認識していると分かった。
シー・シー・コンサルティングはこの調査をとおして、「日本人のビジネスパーソンがグローバルで活躍するためには、語学力だけではなく、日本人が 従来苦手としてきた『変化を受け入れ』『周囲との衝突も恐れず』『新たなものを発想する』力が重要であることが分かった」と総評している。
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