2008-11-12

開発手法として定着してきたオフショア開発

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  IT業界においてメジャーなソフトウェア開発手法として定着してきたオフショア開発。オフショアとは商業英語で国外、域外という意味。その定義どおり、 コーディングなどソフト開発の一部工程を人件費の安いインド、中国、東南アジアなどの海外ソフトハウスに外注し、コスト競争力を高めようという手法であ る。
 そもそもSIerなどIT企業にとって、開発工程の外注は珍しいことではない。現在、日本のSI市場はおよそ12兆円といわれているが、そのうち4分の1はソフト開発の工程をアウトソーシングで受ける2次請け企業である。ただ、オフショア開発の活用については、実は欧米に比べて遅れ気味であり、外注市場のほとんどが日本企業で占められている。だからこそ、コストメリットの大きい海外企業への発注は、今後ますます増える可能性が高い。

 日本でオフショア開発の導入がなかなか進まないのは、開 発の上流工程でどのように仕様書を作れば海外企業から質の高いプログラムが上がってくるかといった、海外企業への外注ノウハウが確立されていないこと、外 国語できちんと指示が出せるSEやPMが不足していることなどが主な理由。そのため、オフショア開発に失敗して数十億円規模の損害を被ったケースもあるほどだ。近年では、それら日本の事情に注目し、オフショア開発のコンサルティング企業も生まれてきている。

 オフショア開発の普及は、国内のソフトハウスにとっては、受注競争の激化という頭の痛い問題ではある。その一方でエンジニアにとっては、自らのソフト開発技術、コンサルティング能力、プロジェクト運営経験などを活用して、ステップアップを図る好機である。英語など語学力は求められるが、将来の市場価値を考えれば、挑戦する価値は大いにある。

採用動向
 オフショア開発関連の人材ニーズは、近年ますます高まっている。リクナビNEXTでは「オフショア」をキーワードに検索すると、主にオフショア開発のコンサルティングや発注代行などを行う、オフショア専業のソリューション企業のヒットがあるだろう。
 また、オフショア開発を活用している大手SIerやソフトハウスが人材を直接募集している場合には、「ブリッジSE」や「海外プロジェクトマネジャー」などの言葉で探すのもよいだろう。

 必要とされるスキルは、Java、.NET、ASP、Cobol、VC++、RDBMS、IMS、など、プログラミング関連の全般。もちろんこれらのす べてをマスターしている必要はなく、いくつかに精通していればよい。Web系、各種OS関連、ネットワーク構築のスキルももちろん有用だ。
 ただし、これらのスキルはあくまで前提だ。そのうえで重要視されるのは、プロジェクトリーダーとしてある程度の規模の開発案件を仕切るなど、管理業務の経験である。発注先との連携や綿密なスケジュール管理が、プロジェクトのパフォーマンスやコストを左右するためである。
 また、いわゆるコミュニケーション能力が重視され、語学力(多くのケースでは英語力)も必須。最近は中国企業の台頭に伴い、中国語能力が転職に有利になるケースも急増している。

 オフショア開発に携われば、大型プロジェクトを経験する機会が多いだけでなく、国際間でのマネジメントのノウハウも得ることができる。エンジニアにとっては、単なる転職先というだけでなく、転職後のスキルアップを図るという点でも大いに期待のもてる業界である。

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