2008-11-12

外国人の本音そこが変だよ日本人

:::引用:::
Part1 技術力に国境なし!? 職場に外国人が増えた実感値は?
 少子化による理工系学生減少のた め、IT業界の人材が不足し、大手メーカーも今後の巨大マーケットを見越して中国をはじめとするアジア諸国に海外事業所を設置するなど、優秀な外国人エン ジニアの獲得に積極的だ。今回の調査でも「外国人と仕事の接点がある」と答えた人が50%と半数を占め、57%が外国人と仕事をする機会の増加を認めてい る。外国人エンジニアの技術力へのハングリー精神や高い語学力に「刺激を受けた」という回答も多く、外国人エンジニアの存在は「よき競争相手」「よき仕事 仲間」として認識されはじめている。
【DATA1】「外国人技術者と仕事の接点はある?」 【DATA2】外国人技術者との仕事機会って増えてない?
Part2 外国人の目から見た日本的ワークカルチャーの問題は?
 技術力は国境を越えても、なかなか 越えられないのが言葉の壁とワークカルチャーの違い。テクノロジー先進国・ニッポンに期待して来日した外国人エンジニアも、この壁につまずいてしまうこと が多い。日本で働く機会の多い中国・アメリカ・インドのエンジニアたちに忌憚なき意見を聞いた。
中国人 SE
チャンさん(仮名/31歳)来日7年
大学卒業後、日本企業の中国事業所に入社。現在は、日本で勤務し、中国人と日本人が半々ずつのプロジェクトマネージャを務める。日本の第一印象は「街にゴミがまったくなくきれい」。
アメリカ人 ブリッジSE
ピーターさん(仮名/36歳)来日13年
LA生まれ。大学では日本語専攻。報道のビデオエンジニアとして来日。現在はフリーのブリッジSEとして大手メーカーのオフショア開発に携わっている。日本の第一印象は「街に魚のにおいがする」。
インド人 SE
ヴァールさん(仮名/27歳)来日4年
バンガロールの日系企業で9カ月の日本語教育と3カ月の技術研修を受けた後、来日。大阪勤務から東京勤務になったばかり。インドへのアウトソーシングではマネジメント業務を行う。日本の第一印象は「自動販売機が多い」。
ケース1:「メンバーをマネジメントすることの大小ギャップ」……中堅リーダークラスの場合
CASE1:会話でのギャップ 日本人だけにわかる微妙なニュアンスの指示は混乱を招く
インドでは英語が準公用語。中国語 は文法的に英語に似ている。英語圏のグローバリゼーションが進む中で、外国人エンジニアの日本進出を阻んでいるのが日本語という壁。しかし、たとえ日本語 をマスターしても、日本人特有の言い回しや微妙なニュアンスが伝わらず、混乱を招いているようだ。
日本人の相づち表現がインド人にはわからないらしく戸惑った
(システム開発/31歳男性)
中国人や韓国人は自己主張がはっきりしている。こちらの言い分はあまり聞いてくれないので、仕様を伝えるのにときどき苦労する(回路設計/39歳男性)
アメリカ人とは英語で会話をしているが、日本的な微妙なニュアンスが伝わらず、意思疎通が難しい(ネットワーク設計/27歳男性)
CASE2:仕事のやり方・進め方 仕事の進め方に問題を感じたら、指摘すべきでは?
外国人エンジニアから見た日本人の 仕事ぶりは「細かい」「徹底的」「勤勉」など。残業や休日出勤など、プライベートを犠牲にしてまで仕事にいそしむ日本人の姿は「尊敬すべき」とする一方 で、「効率的ではない」とする意見も。仕事のやり方に問題があっても指摘する人が少ないことに問題を感じているようだ。
欧米人は基本的に自分の責任範囲の仕事しかしない。あふれた仕事は出張や残業してやることになる(セールスエンジニア/34歳男性)
技術を教えても自分の成長のためにどんどん吸収するが、自分だけの技術だけにとどまり、ほかの中国人メンバーにはなかなか伝わらない(システム開発/35歳男性)
ソフトウェアの品質に対する認識がまるで違う。外国人エンジニアは問題が出てから対処すればいいという考え方だが、日本では徹底した動作検証をして安全を保証する
(コンサルタント/32歳男性)
CASE3:慣習・文化の違い 仕事より家族・恋人。価値観の違いが残業時間に表れる!?
日本人エンジニアからは「外国人は 残業しない」という意見が多い。これは、仕事よりも家族や恋人と過ごす時間を大切にする価値観の違い。そのため、外国人は仕事を早めに切り上げ、アフター ファイブを大切にしたがる。彼らからすれば、公私共に仕事を中心に考える日本人の感覚がナゾに映る。
イスラム教徒のラマダンの習慣に合わせるため、歓送迎会の食事メニューにもかなり気を使った(運用・保守/39歳男性)
欧米のエンジニアは、急ぎの仕事があっても残業も休日出勤もめったにしない
(システム開発/38歳男性)
外国人は仕事よりも家族と恋人が大切。仕事中に家族や恋人と連絡をとりすぎだと思う(コンサルタント/31歳男性)
Part3 外国人が職場に入ることのメリットと日本サイドの対処法
 確かに身近に外国人エンジニアが増 えはじめてはいるものの、日本の職場ではまだまだ彼らは少数派。異国の地で働く彼らの不安も大きい。共に仕事をするパートナーとして日本人はいかに配慮し ていくべきか? 中国・インド・ベトナムの人材採用と育成、サポートを行う㈱パソナテック海外事業部・小平氏と下平氏に話をうかがった。
企業が外国人エンジニアを雇用強化する理由
 企業が外国人エンジニアを雇用する背景には大きく分けて三つの目的があります。まず、少子化による理系の人材不足から、「優秀な人材であればもう国籍は問わない」という考えです。そしてもう一つが、今後発展していく海外市場を見据え、「自社DNAを備えた外国人のグローバル要員を育成したい」という考えです。オフショアリングありきの状況も背景にあります。この二つが大きな目的ですが、最近では「ダイバーシティマネジメント」という目的も徐々に増えはじめました。これは、異文化の方を入れることによって職場を活性化させていきたいという考えです。

 外国人エンジニアで一番多いのがやはり中国人です。彼らは技術力と語学力に秀でていますが、専門分野に対して頑固な傾向があります。個人差も大 きい。次いで多いのが韓国人。インド人やベトナム人は横並びとなっています。インド人にはシリコンバレーと直結した優秀な頭脳を持った人材も多いのです が、日本はまだ彼らを活用できる状況にない。残念ながら、彼らも日本を眼中に入れていません。ベトナム人は日本で活躍する人も増えてきており、「柔軟でマ ジメ」というヒューマンスキルの部分で企業から好評価を受けています。 
外国人の「獲得」に終わらず、「活用」するサポートと配慮
 弊社では外国人エンジニアの「獲得 と活用」をワンセットで考えています。いくら優秀な人材を獲得しても活用する意識とサポート体制がなければ定着せずにすぐに辞めてしまう。彼らに定着して もらうためには、外国文化への理解も大切です。たとえば中国の方は「旧正月」、欧米の方は「クリスマス」を大切にします。また、外国人の方は「家族」をと ても大切にしますので場合によっては転職も家族の意向が反映されます。家族とのきずなあっての仕事であることを理解したうえで、残業や休暇を割り当てる配 慮が要されてきます。

 逆説的な発想になりますが、われわれは優秀な外国人エンジニアを日本に迎え入れることによって、日本の若手エンジニアに問題意識を持ってもらい、克己心 を高めてもらいたいと考えています。世界的な頭脳の「獲得と活用」を進めることが、今後、日本の国際競争力を高めていくための国家的な課題にもなっていま す。
  中 国
インド
ベトナム
語学
日本語
英語
日本文化との親和
柔軟性・環境適応
企業コメント
個人差が激しいが、やはり「技術日本語」と、自己実現意欲が強く行動力があるところが強み 。
「技術英語」が最大の売りだが、日本語はしゃべれるが読み書きは弱いという弱点も。
「柔軟・純朴・まじめさ」な性格が日本人との相性がよさそう。 今後の可能性は大きい。
出典:株式会社パソナテック 海外事業部の調査より
*上記はあくまでも既卒の社会人経験者に対する日本企業のコメント例です。
日本語コミュニケーションのココに気をつけよう!
1目的と手法を明確に伝える
日本人同士のコンセンサスから成り立つ「暗黙の了解」は外国人には通用しない。まず目的をはっきりさせた上で、そこに至るための手法を明確に伝える意識が、仕事をスムーズにする。
2.主語と代名詞を明確にする
英語や中国語は、「私」「あなた」と主語・代名詞がはっきり示される。日本では「私が私が」と自己主張が強く感じられ敬遠されがちだが、外国人との仕事では「誰がやるのか」をはっきりと示す必要がある。
3.カタカナ用語の乱発は避ける
日本では一般的なカタカナ用語だが、実は省略形の和製英語であることが多く、英語のつもりで使っても外国人に伝わらないことが多い。「インフラ」「ハード」といったIT用語に注意が必要。
4.ほうれんそう(報告・連絡・相談)が大切
日本人の資質のように考えられている「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」は、外国人との行き違いをなくすためにもいっそう重要となる。
出典:株式会社パソナテック 海外事業部
孤立しがちな外国人にちょっと言葉をかける配慮が大切
 日本で働く中国人エンジニアの多くは、ビジネスレベルの日本語力を持った人たちですが、敬語・丁寧語の使い分けや微妙なニュアンスなど、やはり日本語コミュニケーションへのプレッシャーが大きい。そうした焦りから孤立感を募らせるメンタルな悩みが多いんです。

  一方で、中国で働いている大学時代の同級生たちは、着実にステップアップしている。「自分は日本の就業先に順応できず、簡単な仕事しか任せてもらえない」と職場の孤立感と仕事への焦燥感を募らせ、「自分はもう役に立たない」と落ち込んでしまいがちです。

 孤立しがちな外国人エンジニアには、ぜひ遊びや食事に誘っていただきたい。出社時と帰り際にちょっと声をかけてあいさつするだけでも、彼らは安心感を得 られます。外国人を受け入れる企業サイドでも外国の文化や社会的背景を勉強して、彼らを理解する努力をしていただきたい。語学力だけの問題ではなく、相手 の文化を理解しつつ、意思を伝え合うコミュニケーションスキルが大切です。

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