2008-01-09

中国2008年社会白書を発表、最大の社会問題は物価

:::引用:::

中国社会科学院は3日、「2008年中国社会形勢分析と予測」と題する社会白書を発表した。

同白書では、中国共産党の幹部養成機関である中央党校で行われたアンケート調査結果に基づき、最も深刻な社会問題として上位から順に物価、所得格 差、腐敗を挙げている。この中で、物価を第1位に選択した回答者が全体の30・5%を占めており、インフレへの懸念が強まっていることが明らかになった。

また、全国の一部の都市を対象とし2007年に実施したアンケート調査の結果では、都市と農村の住民はみな、日常生活で物価上昇による圧迫感を感じ ていると答えた。回答者のうち、物価を最初に挙げたのは、都市部では66.5%、農村部では57.5%とダントツトップ。そして、住宅価格および関連政策 改革と食品医薬品の安全性を選んだ回答者が、全体の25%に上り、第2位に並んでいる。

同白書は中国で所得格差が拡大基調にある問題も指摘。沿海部と内陸部の地域間所得格差や都市と農村の所得格差が拡大しているほか、さらに同じ都市のなかでも富貧両極化が進んでおり、国内企業内の管理職と従業員の収入格差で数十倍に拡大している例もある。

このほか、教育問題においてとくに流動児童の教育問題は、公平な社会発展の重視という背景のもと最大の社会問題となっていることを指摘。2005年 から2006年にかけて、大都市に出稼ぎにきている農民工の子どもが公立小中学校へ入学する割合は北京では62%、上海では50.7%、武漢では 81.5%といずれも上位を占めているが、それにしても20%近くの子どもたちには教育を受ける機会がないということであり、この問題は今後もますます深 刻になっていくと予想されることから、問題解決に向けてどう対応すべきかが重大問題となっていると警告を発した。

新大卒者の就職難問題を社会問題として重視すべきであるとも提起。中国国内では2007年の大卒者は500万人近くに達したが、その2割の100万人はいまだに就職が決まっていない。

中国社会科学院社会科学研究所の李培林所長は同日の刊行に伴う会見で、白書が指摘した重要課題について、「食品価格上昇の抑制、食品中心とする物価 の安定を維持することは中国社会の安定の基礎となる」と強調した。一方、「2008年は民生の改善を重点とする社会建設の推進を加速する」と語った。(日 中経済通信01月04日)


●●コメント●●

0 件のコメント: