県内での外国人の学習環境のあり方を中心に審議している県生涯学習審議会(会長=阿部耕也・静岡大教授)は17日、「外国人の子供の社会的自立が 困難な状況にあることは明らか」として、教員や支援要員の確保と資質向上などを求める緊急の施策を中間提言としてまとめ、石川知事らに提出した。
同審議会は企業やNPO関係者、有識者など16人の委員からなり、今年2月から3回の会合を重ねてきた。
今回の中間提言には、主に非常勤として雇用されている県内在住外国人児童・生徒に対する支援員などの待遇改善を含む「人的サポート」の必要性のほか、指導に関するノウハウを県内全体で共有できる教育相談体制の整備の必要性など、4項目の緊急施策を盛り込んだ。
県教委生涯学習企画課によると、日本語の指導が必要な外国人児童・生徒の数は、2007年度の文部科学省の統計によると県内には2631人おり、全国では愛知県に次いで多かった。
しかし、そうした児童・生徒に対し専門的な指導を行うことができる加配教員は、県内では08年度は81人、支援員は92人の配置にとどまり、「専門の教員1人でも指導が大変なのに、子供の数に対してあまりに少な過ぎる」(同課)現状がある。
指導体制が整っていないため、多くの児童・生徒が授業についていけないことにつながっているとみられる。「そうした子供たちは進学や就職が困難で、社会からはじき出される結果につながってしまう」(同課)との懸念もある。
中間提言を提出する際、阿部会長は「全国のモデルとなるような、先駆けた取り組みで国を動かしてほしい」と求めた。受け取った石川知事は、悪化す る経済状況に言及し、「外国人の生活が不安定になり、子供たちにしわ寄せが及ぶことに頭を悩ませていたところだ。きちんと対応し、ノウハウを蓄積すること が大事」と応じた。遠藤亮平・県教育長も「09年度に向け、ポイントを絞って可能なものから対応していきたい」と話していた。
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