株式市場に「トヨタ・ショック」が広がっている。米国発の金融危機による実勢悪が顕在化してきた格好だ。業績に詳しい野村証券の伊藤高志シニアストラテジストに企業収益の見通しなどを聞いた。(聞き手はマネー&マーケット編集長 田中彰一)
――トヨタ自動車の修正を受けての第一印象は?
ゾクっ、ドキっとした。市場には明らかにトヨタショックが広がっている。トヨタ1社で、業界全体(野村が集計する主要400社ベース)の増益率を3%押し下げる計算だ。企業収益の減速は予想していたが、本音では思っていたより落ち込みがややきつい。
――トヨタはもともと保守的に予想を見積もる傾向がありますが。
下期の前提為替レートは1ドル=100円で、妥当な数字と思う。北米の販売台数も決してきつい数字じゃない。
――のりしろがない、ということでしょうか。
前提条件もそうだし、上期の営業利益が5820億円で通期が6000億円。引き算してみてもどういう状況に置かれているかがわかる。もっとも設備が老朽化 しているわけではないし、依然として競争力は世界一だ。1993年から95年にかけての業績悪化の時期とは比べられない。
――株式相場に影響を与えるのはモメンタム(勢い)です。企業収益全体をみた場合、下向きのモメンタムは今が一番きついでしょうか。
トップダウン方式ではじくと10―12月期の減益率が一番落ち込む。景気指標、たとえば鉱工業生産でみた場合、97~98年のアジア通貨危機、92~94年の資産バブル崩壊期とほぼ同じような減速ピッチだ。
――クリスマス商戦の成否が反映されるのは来年1、2月。株価はこのころには業績悪を織り込んで底入れというシナリオですか?
実は気になっていることがある。トヨタ自動車は言及しなかったが、民生エレクトロニクスではちらほら構造改革を挙げる企業が出始めている。事業分野の見直 し、リストラの断行などだ。この特別費用を計上するのは第4四半期だろう。営業利益では10-12月期が底でも最終損益ベースでは1-3月にさらに悪化す る懸念があり予断を許さない。
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