ヒットドラマ「斉藤さん」で知られる観月ありさが主演中の日本テレビ系「OLにっぽん」(水曜後10・0)は、海外 アウトソーシングの波に翻弄(ほんろう)されながら自分の生き方を見つめ直していく硬派の作品。「ハケンの品格」なども手がけた脚本家、中園ミホさんは 「OLは日本の宝。彼女たちが頑張っている限り日本は大丈夫」と語る。
海外アウトソーシングとは、企業が業務の一部を人件費の安い海外に 委託すること。ドラマでは、中国からやってきた農村出身の張琳チャン・リン=タン・ジャースー=と、上海出身の楊洋(ヤン・ヤン)=ローラ・チャン=が老 舗の商社で働いている。観月演じる神崎は総務一筋9年の独身OLで、2人の教育係を命じられ、日々戦いを繰り広げている。中国人を取り上げた理由を中園さ んは説明する。
「2年前に中国の通訳の女性と仕事をする機会があって、これが生意気で(笑)私のちょっと派手な服装を見て『いい年してな ぜそんなにお金をかけるのか』とかカチンとすることをいっぱい言ってきた。でも付き合ううちに彼女が農村出身で、努力して今の仕事をつかみ胸を張って通訳 している姿にひかれていった」。その後、NHKで放送されたアウトソーシングについてのドキュメンタリー番組を見てドラマ化を思い立ったという。「中国人は仕事でミスしたくらいで謝らない。謝るということを軽く考えていない」と話し、それはドラマの中でも展開された。「発言が強烈で、結婚し ても子供を産んでも仕事を辞めない。そんな中国人をどんどん好きになる中、一方で気配り、謙虚さなど日本人のよさも見つけられた。まるで合わせ鏡のよう」 という。
中国人の窓口役で出演しているフービンからは「中国では1日36時間働く」と聞いた。「パワフル。元気すぎるほど。日本のエネル ギーはまだまだ低いかな、と思う」と中園さん。成果主義の導入や派遣社員の起用で正社員の立場が揺らいでいる中、日本のサラリーマン社会に一石を投じる内 容になっている。(松本明子)
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