ゼネコン大手4社が12日発表した08年9月中間連結決算は、大成建設が大幅赤字に転落したのをはじめ、他の3社も最終(当期)利益が前年同期より 減少した。週内に中間決算が出そろう準大手各社も大半が赤字に陥る見通し。資材価格の高騰や公共事業の削減などこれまでのマイナス要因に加え、今後は景気 後退で受注の減少も見込まれ、経営の不安材料は増える一方だ。【位川一郎】
大成の上期の最終損益は、前年同期の119億円の黒字から191億円の赤字になった。最終赤字は01年以来7年ぶり。海外の土木工事で資材費や労 務費が増加したことが大きく影響したほか、マンション事業の子会社、有楽土地の業績が悪化したことも要因。通期でも80億円の経常赤字、130億円の最終 赤字を見込んでおり、経常赤字なら1957年の上場以来初めてとなる。
鹿島の上期も海外工事の採算悪化などで減益。清水建設は会計処理の方法を一部変更したことで売上高が伸びた。大林組は低採算工事の受注を減らした効果などで経常増益は確保した。通期では、この3社とも最終減益を予想している。
準大手の中間連結決算はさらに厳しい。東急建設は、新興不動産会社のアーバンコーポレイションが破綻(はたん)したことによる特別損失などで68 億円の最終赤字。飛島建設、西松建設、フジタも最終赤字だった。このほか、前田建設工業、戸田建設、熊谷組、三井住友建設も赤字予想を公表している。
ゼネコン各社はこれまでも、公共工事の減少、競争激化による安値受注、資材高などに苦しんできた。今年に入ると、マンション市況の低迷や新興不動産会社の破綻の影響を受け、海外工事での損失も表面化してきた。
さらに今後は、景気後退によって業績の先行指標となる工事受注が落ち込む可能性が高い。
「メーカーの設備投資が減るだろう。既に工事の中断や延期も起きている」(黒沢成吉・清水建設取締役)。資材価格が落ち着きを見せ、政府が住宅 ローン減税の拡大を予定するなどのプラス要素もあるが、効果は小さいとの見方が一般的だ。「回復に2、3年かかるだろう」(大手幹部)との声もある。
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