米国発の金融危機に端を発した急激な円高ウォン安が、韓国から日本を訪れる人たちに打撃を与えている。そんななか、福島市でインターンシップ(就業 体験)をしている韓国の大学生に援助の手を差し伸べようと、NPO法人が呼びかけたところ、食料や衣類などが次々と届いた。予想を超える量だったため、福 島大に通う同郷の留学生にも分けることとなり、善意の輪が広がった。(丹治翔)
このNPO法人は市内にあり、韓国語講座や韓国料理の教室を開くなど市民レベルで日韓交流に力を入れている「ふくかんねっと」(チョン・ ヒョンシル理事長)。ソウル近郊の天安市にある白石(ペッソク)文化大学の学生を市内の旅館・企業などでインターンシップさせる事業を展開しており、現 在、16人が来日中だ。
7月に来日した16人は、11月下旬の帰国まで、市内のアパートなどで下宿しながら働いたり、日本の文化を学んだりしている。家賃や光熱 費は来日前に支払い済みだが、食事代や日用品の購入費などはそれぞれが賄っている。ふくかんねっとの支援もあって、1カ月の費用は2万~3万円というが、 アルバイトをしていないため母国からの仕送りが頼りだ。
ところが、その仕送りは9月以降の円高ウォン安によって大きく目減りした。月50万ウォンの仕送りを受けているという観光学部2年のイ・ イニョンさん(19)。来日当時は5万円弱だったが、先月は3万7千円と1万円以上減った。「母親から『足りないか』と心配された。外食の回数を減らすな どして節約しています」とイさん。
来日時に9万円持ってきた日本語学部2年のイ・セゴォンさん(23)も所持金はわずかだが、「両親に心配をかけたくないので、切りつめて生活しています」と話す。
こうした窮状を見かねて、ふくかんねっとは先月末、食料援助を呼びかけるメールを会員約200人に配信。すると、すぐに反応があった。
事務所には、米のほか、じゃがいもや大根などの野菜が次々と届いた。衣類や洗剤などもあり、いわき市の50代の女性からは、さんまが届けられた。16人で食べきれないほどの量になり、援助の呼びかけはわずか3日で中止した。
「食べ物に関する心配はなくなった。ありがたいことです」と日本語学部2年のキム・ジョンチョルさん(25)。余った分は、福島大に在籍する韓国人留学生たちに分けることをチョン理事長が提案。留学生たちも喜んでおり、近日中におすそ分けする予定になっている。
一方、大学生たちは、帰国までの間に地域の清掃やお世話になった人たちにキムチを手作りするなどして、恩返しすることを考えている。チョン理事長は「多くの人のあたたかい支えがあった。今度は彼らが還元し、日韓の交流がさらに深まってくれればうれしい」と話している。
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