2008-11-10

運用業界、収益環境悪化で人員削減や再編の可能性も

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[東京 7日 ロイター] 金融市場の混乱を背景に、運用各社が運用資産の残高減に悩まされている。運用資産残高に対して報酬を得る運用会社にとって、残高減少は収益環境の悪化を意味する。

 外資系運用会社にとって、円高は日本でのオペレーションコストの上昇にもつながる。今後は人員削減や運用会社の再編などにつながる可能性も出てきた。

 運用資産の残高に対して報酬を得る運用会社は、ある一定水準の残高が維持されるか、積み上がっていく環境下はいいが、解約に伴う継続的な資金流出 や価額下落に伴う残高の目減りが続けば、ビジネスに悪影響を及ぼす。新興諸国ファンドや高金利通貨ファンドなどの人気を背景に、1─2年ほど前から運用残 高の拡大を狙って陣容の拡大を図り、現在は当時の1.5倍から2倍近い人員を抱える運用会社は多い。だが、金融業界担当のあるエグゼクティブサーチは「年 初から残高が急減している運用会社においては、来期以降の日本における経営計画の見直しを迫られるところも出ているようだ」と指摘する。複数の人材紹介 エージェントによると、すでに採用を一時凍結したり、一部の職種を除き募集を取り下げる運用会社が出ているほか、人員削減も始まっている。

 さらに今回は世界的な金融市場の混乱を背景に、外資系運用会社では本国サイドで資本関係が目まぐるしく変わるなど運用会社の再編も起きつつあり、 本国サイドでの再編は、いずれ日本にも飛び火する可能性がある。また一時は再編が噂された国内の複数の運用会社も、ビジネス環境の悪化が長引けばお蔵入り していた再編話が浮上する可能性もある。

 複数の人材紹介エージェントが運用各社の人員削減をはじめとしたコストカットを指摘するなか、日本を拠点とする複数の運用会社は、表向きには人員削減を認めていない。しかし海外では米フィデリティ・インベストメンツや英シュローダー(SDR.L: 株価, 企業情報, レポート)、ジャナス・キャピタル(JNS.N: 株価, 企業情報, レポート)、アライアンスバーンスタイン・ホールディング(AB.N: 株価, 企業情報, レポート)などで人員削減策の発表が相次いでいる。

 ある外資系のエグゼクティブサーチは「9月以降、以前に仲介した人達から別の会社での募集がないかどうかの問い合わせが数件あった。人員削減組と 先行きを心配しての職探しと両方だ」という。別の金融業界担当のエージェントによると、同エージェントの顧客である欧州系運用会社の幹部らは、運用残高の 減少に加えて、足元の円高を背景に日本での人件費などコストに割高感が出てきたことを本国が指摘してきているという。「これまでは現地の判断でできた採用 が、条件面などの確認も含め本国の承認が必要になるなど、外資系の採用は慎重になっている」(金融業界担当エージェント)という。

 また別のエージェントは、日本の投信業界の特殊事情として、販売会社や投資家に手厚いサポート業務が必要とされていることを指摘する。ファンドの パフォーマンスもよく、運用残高が右肩上がりの時には、サポート部隊を増やして残高拡大に努めてきた運用会社も、収益環境が悪化してくると最初に人員削減 の対象となりやすいのがサポート部隊だという。「一時は一人に数社からのオファーが集中することもしばしばで(営業支援などは)人の奪い合いだった。人材 難から、運用会社経験を問わず金融機関経験者に人材のすそ野を広げるなど、運用各社は人材獲得に苦労した時期さえあった」と前出の人材紹介エージェントは 昔を振り返る。

 ただ、運用業界には、この機会に陣容を強化したいという比較的規模の小さな外資系や国内の運用会社からの案件も実は多いという。運用会社は高度な専門知識を要するだけに、資産運用業界の人材需要が一気に冷え込んでしまうことも考えにくい。


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