2008-11-12

上司のプレッシャーのおかげ? 半年で700点台前半から800点台へ--オトナの試験勉強 TOEIC編

:::引用:::

 都内の大学を卒業し、某商社系のSI企業C社で社会人生活のスタートを切った私。業績好調の余波で過去最大の約300人の採用を決めてしまったC社では、私が入社した頃には業績と株価に急速な陰りが見えている状況でした。

 それでも入社前には日経産業新聞の3カ月無料購読や、必須の英語通信教育受講など、研修には力を入れているようでした。入社後も、マナー研修から社内システム講座、ITの基礎知識に至るまで、約1カ月が研修に費やされました。

 営業職での配属が決まっていた私は、5月の連休明けに仮配属された事業部にて1週間のOJTを受けることになりました。右も左もわからないままの1日が過ぎた後、歓迎会という名目で近くの居酒屋に連行されました。

 和やかに会が進む中、ニコリともしない人が1人。それがC社でも鬼上司として有名なK部長でした。ものすごい勢いで酒を飲んでいるにもかかわら ず、表情ひとつ変えず、あまりしゃべろうともしません。残りのメンバーはそれを気にすることもなく、普通に盛り上がっています。「これが会社というものな のか……」--若干あっけに取られつつも様子を伺いながら杯を重ねていた私に、K部長から突然質問が飛んできました。

 「キミさ、なんでうちの部署に選ばれたか知ってる?」ぼう然としていると、K部長はニヒルな笑いを浮かべながら一言。「うちの事業部に来る営業5人のうち、キミがいちばんTOEICの点数、低かったからだよ」

 この時の私のTOEICのスコアは675点。決して低い点数ではないと自負していたものの、確かに残りの4人は帰国子女であるか留学経験があり、 軒並みTOEIC 800点以上だという話を聞いたことがありました。このK部長の発言は笑えない冗談として私の心に突きささり、歓迎会は居酒屋の閉店とともにお開きになっ たのです。

 そして翌朝。部長席に歩み寄り、「おはようございます。昨日はごちそうさまでした」と、昨日のお礼を述べて席に戻ろうとすると、部長から「あ、 ちょっと」と呼び止められました。「人事からメールが来たんだが、キミが新人向けの海外研修の候補生に入っているらしいんだ。行く気ある?」

 新入社員約300人の中から15人のみが選ばれるというこの海外研修のうわさは、研修中にも耳にしていました。その候補に選ばれているというだけで、私は興奮しました。「行かせていただけるなら、是非!」と答えると、K部長は「わかった」答えてくれたのです。

 「ありがとうございます!」そこで一礼し、自席へと踵を返した私に課せられたのがこのハードルでした。「あ、行くならTOEIC 800点くらいは取れよ。取れなかったら研修費用、全部払ってもらうからな」

 部署の承認を得て社内選抜も通過し、最終派遣メンバーに選ばれることができた私は、1カ月間にわたって夏休み中の米国の工科大学にて研修の日々を 過ごしました。1日3コマの授業は、英語の発音の矯正と一般的なコミュニケーション手法を学ぶことが中心で、文法やリーディングに関してはほとんど授業が 行われませんでした。それでも英語のリスニングスキルが向上したことは自分でも感じ取れましたし、アウトプットも研修前より改善したと現地の講師にほめら れ、自信満々で帰国しました。

 帰国1週間後の土曜日のことです。研修参加者は全員本社の会議室に集められ、TOEICを受験しました。やはりリスニングは以前より随分耳に入ってきます。これならK部長に課せられた800点のノルマも越えられているのではないか、と高をくくっていました。

 数週間後、私はK部長に呼び出されました。K部長は私に封筒を突きつけ、「研修後のTOEICのスコアが返ってきた。見てみろ」と言います。そこに記載されていた私の点数はなんと715点。入社前より少しは伸びていたものの、800点にはほど遠い点数でした。

 「どうする?」とK部長に言われたものの、この点数に一番ショックを受けていたのは私自身です。本当に研修費用を払わなくてはいけないのだろうか、などさまざまな思いで頭がいっぱいになり、うまく答えることができませんでした。

 結局、数十分のお説教の後、半年以内に800点を取ること、ただし英会話学校に通うなどして業務に支障をきたさないようにとのお達しで、その場は放免されたのです。

本格的なTOEIC対策開始

 今度こそ、本当に半年以内に800点を取らなくてはなりません。そのために私が実施したTOEIC対策は、以下の3つでした。

  1. 問題集をまず1冊購入し、毎日少しずつでも何度も同じ問題を解く
  2. 耳を英語に慣らすため、通勤では問題集のCDを聞き流す
  3. 帰国子女の友人との会話はすべて英語で行う

 問題集の購入と同時に、向こう半年間のTOEIC公開試験を4回分申し込みました。

1. 問題集を繰り返し解く

 まず、1.の問題集は、いわゆる「過去問題集」のような、本試験に近い形の問題集である「新TOEIC TEST 730点攻略コンプリートマスター」(三修社)を購入しました。この問題集をなるべく毎日、少しずつでも帰宅後に解いて、問題の形式に慣れるようにしまし た。最初からたくさん問題集を買ってしまうと、私の場合解き終わることが目標になってしまいがちなので、1冊を何度も解いてケアレスミスを減らしたり、同 じ場所で間違えたりすることを防ぐようにしました。

 とはいえ、仕事が終わって帰宅後に問題集を解くことが大半なので、せいぜい取れる時間は1時間程度です。そこで、「今日は文法問題をやるので明日 は読解問題」というように、ある程度メリハリをつけてやるようにしました。2回目のTOEIC受験後には、新たにもう1冊「英熟語ターゲット1000[3 訂版]実戦問題集」(旺文社)を購入し、同じスタイルで勉強しました。半年で購入した問題集はこの2冊のみでした。

2. 耳をならす

 購入した問題集にはリスニング問題のためのCDが添付されていました。朝の通勤は満員電車のため、問題集を開いて実際に問題を解くことはできなかったものの、リスニング問題の流れに耳を慣らすべく、毎日CDを聞くようにしました。

 しかし、毎日そんなCDばかり聞いていると正直気が滅入ります。そこで、帰り道は好きなアーティストのCDに差し替えるなど、たまには気分転換するよう心がけました。

3. 英語での会話

 幸い私には、大学時代の友人や同僚に、幼少時代を英語圏で過ごした友人がいました。そこで、彼らとの会話はすべて英語で行うことにしたのです。日 本人なのに街中や喫茶店で英語で話すとなると、多少恥ずかしい気もしましたが、そこは根性で乗り切りました。ただ、これはTOEICの点数アップに効果が あったかどうかわかっていません(笑)。

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