:::引用:::
≪ITキャンプ≫
高度な技術専門教育を5年間の一貫教育として行う高等専門学校55校を束ねる国立高等専門学校機構(高専機構)が、産学連携を通じて高度な人材育成や技 術開発を加速させている。マイクロソフトと世界に通用する人材育成でタッグを組んだほか、科学技術振興機構(JST)とも技術開発で協力協定を結んだ。一 方、民間企業側も高専が抱える「技術の担い手」としての人材への評価は高い。企業の社会貢献に加え、将来の優秀な技術者を囲い込みたいとの思惑もありそう だ。
高専機構はマイクロソフトと手を組み、国際的にも通用するリーダーの育成に乗り出した。8月11日から3日間、全国の高専から選抜された約20 人の学生が東京・八王子に集結した。高度IT(情報技術)人材のエリート育成に向け共同で開催した「ITリーダー育成キャンプ」だ。来年3月までフォロー アップを含めたIT人材教育の取り組みが続く。
「コンピューターの魅力を中学生に伝えるには」「理科離れを解消するには」といったテーマをめぐり活発なディスカッションが繰り広げられた。こ のキャンプで磨かれるのは、「ITスキルではなく、ヒューマンスキル」(マイクロソフト)と強調する。国際的に活躍できる技術者を目指し、コミュニケー ション能力やリーダーシップを重視している。従来、高度なIT技術教育では協力していたが、リーダー教育は初めて。
IT技術者の人材獲得競争は世界規模で激しさを増しているが、こと日本は深刻な状況にある。マイクロソフトをはじめIT大国の米国においても中 国、インドのIT人材が頭角を現す一方で、日本人技術者の存在は相対的に低下。「IT業界で日本は置き去りにされつつある」と警鐘を鳴らす声もある。
マイクロソフトも、高専ごとに提携するよりも、全国規模の高専機構との提携はメリットがあると判断したようだ。
≪組織を再編≫
高専機構の取り組みはこれだけではない。8月にJSTとも産学連携協定を結び、地域の中小企業への技術移転を進める。高専ではこれまで不足して いた技術の「目利き」人材を補うために、全国に16拠点を持つJSTと組み、全国規模で技術移転を活発化させる計画だ。高専の多くは地方都市に立地してお り、中小企業の製品開発のスピードを後押しするとともに、高専の特許出願も促進する。
2009年からは、地域ニーズに沿った学科構成、共同利用型のセンター設置を柱として、組織再編に着手する。専門分野の高度多様化に対応できる「スーパー高専」として教育研究の強化にも乗り出す。
高専各校は規模が小さく、従来は存在感を発揮しにくかったが、高専機構の組織を活用することで、産学連携の効果も発揮しやすくなり、民間との連携強化で、生き残りを図りたい考えだ。(川上朝栄)
●●コメント●●
2008-09-08
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿