2008-09-25

実効性ある「福祉人材確保指針」を

:::引用:::
 厚生労働省が告示した新たな「福祉人材確保基本指針」を受け、全国福祉保育労働組合(福祉保育労)は、「指針が実効性を発揮するには、国の予算などで介護報酬の十分な財源を確保し、職員の配置基準を改善するなど具体的な措置が不可欠」との声明を発表した。

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介護人材確保のための人件費財源を

  厚労省が1993年に告示した「福祉人材確保基本指針」について、福祉保育労は、「指針が『公務員の賃金水準などを勘案した(福祉労働者の)賃金を』との 一定の指標を示したにもかかわらず、実効性を発揮できなかった」と指摘。その問題点として、「賃金や労働条件の(一定の)水準の確保について、事業者と労 使の自主的な責任にしたほか、国や自治体による人件費財源を縮減してきた」ことなどを挙げている。

 厚労省の「社会保障審議会福祉部会」 は今年7月、93年の指針を改定し、新しい「福祉人材確保基本指針」を決定した。その中の「人材確保の方策(労働環境の改善)」では、「他の分野の労働者 の給与水準などを踏まえ、適切な給与水準を確保すること。給与体系の検討に当たっては、国家公務員の福祉職俸給表なども参考にする」としている。
  これに対し、福祉保育労は、「適切な給与水準を挙げると同時に、給与体系の検討について、福祉職俸給表が記載されたことは重要な視点」などとしながらも、 「法律のような強制力を持たない指針は努力義務にとどまる。二度と棚上げさせないためには、国による十分な財源確保や職員配置基準の改善などが欠かせな い」と強調している。

 また、新しい指針が、「必要な福祉・介護サービスの量や質の水準に併せて、その確保のための必要な負担水準を考え ていく」としていることについては、「国や地方公共団体の責任で必要な財源を確保すべきであり、(サービスの)利用料とリンクさせるべきではない」と指摘 している。

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