◇県国際交流協会が作成
外国で生まれ育った子供が来日した時の周囲の支援を充実させようと、県国際交流協会が「いわて多文化子どもの学習支援ハンドブック」を作成した。 受け入れる小中学校向けの内容で、同協会は「自分の意思で来日したわけではない子供は、問題に直面すると自己否定的になることもある。周囲のサポート用に 役立ててほしい」としている。
県内には日本人と結婚した外国籍の母親や、日本に働きに来た日系ブラジル人、留学や研究で来日した外国人がいる。親に連れられて来日する子供が多 く、特に結婚した母親に呼び寄せられて中国から来る子が増えているという。同協会は県内40~50小中学校で外国籍の子供を受け入れているとみている。
課題となるのは、学校の授業で必要な学習語学。同協会の川村央隆主任は「子供は語学習得が早いと言われるが、それは会話言語。学習語学は別物だから、日本語が堪能なのにテストの点が悪いと周囲が『学力が低い』と誤解するケースもある」と指摘する。
1校に5人以上の外国籍の子供がいると、日本語支援の加配教員が配置される。ところが大都市と違い、県内では受け入れ人数が1人か2人にとどまる学校が多く、対応のノウハウが普及していないのが実情だ。
ハンドブックはA4判89ページ。(1)岩手の多文化の子どもたち~その背景と子どもの学習に向けて~(2)多文化の子どもが来たとき~受け入れ 時にすること~(3)個別支援事例集~日本語・教科学習支援のために~--の3部構成。子供が岩手に来た背景を理解したうえで、国籍や学年など異なる状況 に応じて組み合わせられるように指導例を多数掲載したほか、日本語教材として役立つインターネットのサイトなども紹介した。
ハンドブックは、同協会が把握できた受け入れ小中学校に配布した。同協会のホームページ(http://www.iwate‐ia.or.jp/)でダウンロードできる。問い合わせは同協会(電話019・654・8900)。【念佛明奈】
毎日新聞 2008年9月24日 地方版
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