大手機械メーカー「クボタ」(大阪市)が工場で長期間にわたって偽装請負状態で働いてきたとされる外国人労働者を、偽装請負問題対策で期間制限のあ る契約社員に雇用形態を変更したのは違法として、外国人労働者ら15人が30日午前、期限後も社員としての地位確認を求める訴訟を大阪地裁に起こした。 06年ごろに偽装請負状態にあることを指摘されたメーカーの多くがクボタと同様の雇用形態を採用しており、法的に最長3年の期限がある来年に雇用期限が 迫っていることから、裁判の結果は他メーカーの対応にも大きな影響を与えそうだ。
訴状によると、原告は大阪市大正区にあるクボタの恩加島事業センター(工場)内で働くブラジル人やペルー人、中国人の契約社員ら15人。最も長い 原告は92年から、請負会社2社の社員として同工場内でエンジン製造などに従事。しかし、労働者を直接指示する偽装請負の状態にあることを労働局に指摘さ れたことを受け、クボタは07年4月、同社の工場で働く非正規労働者約650人を契約社員として直接雇用した。
だが、雇用期間を半年ごとの更新で最長2年に制限。09年4月以降の身分について明らかにしていない。労働基準法は、期間のある雇用契約について3年以内に限っている。
提訴した労働者らは、偽装請負が長期に及んでいたことから、「実態はクボタによる直接雇用が成立している」と主張。そのうえで、「クボタが一方的に契約社員にしたのは、不合理な労働条件の変更で無効」として、期限後も期間の定めがない社員として雇用するよう求めている。
クボタは試験による正社員への昇格を図っているというが、登用の実態は明らかにしていない。クボタ広報室は「当社はそもそも偽装請負とは考えてい ない。労働局と見解の相違があった。訴訟については訴状を見たうえで法廷の場で当社の考えを主張する」としている。【日野行介、樋口岳大】
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