玉名市の縫製会社2社で働いていた中国人実習生の女性12人(22~34歳)が、残業代を支払われないなど不当な扱いを受けたとして、熊本労働局に救済を申し立てていた問題で、縫製会社が12人に未払い賃金など計約2500万円を支払うことで19日、和解が成立した。実習生らが同日、記者会見して明らかにした。
申し立てによると、実習生は2005年8月~06年11月、外国人研修・技能実習制度を利用して中国浙江省から来日。1日16時間の長時間労働や月に200時間以上にわたり時給300~390円で残業を強いられ、賃金の支払いも滞っている、としている。
実習生やその支援団体によると、和解内容は、未払い賃金の支払いのほか、〈1〉実習生5人は縫製会社に復帰して働き、帰国の際は旅費を負担する〈2〉今後は法令を守る――など。
実習生の受け入れ窓口となった協同組合(大分県日田市)や中国側の派遣会社とも協定を結び、法令を守ることや帰国した実習生に違約金を請求したり訴訟を起こしたりしないとの内容で合意した。
実習生らは7月、支援団体に保護され、救済を申し立てるとともに、在福岡中国総領事館(福岡市)にも実態を訴えた。同労働局は縫製会社に業務の是正勧告を行うとともに、縫製会社や協同組合、派遣会社との交渉にも立ち会いし、和解に結びついた。
支援団体によると、中国政府も派遣会社に対し、派遣業務の一時停止処分を通知したという。会社に復帰しない7人は21日に帰国予定。
実習生の1人は「円満に解決できてうれしい。今後、実習生らに対する人権侵害がなくなることを祈っている」と話した。
縫製会社の社長は「残業代が安いのは、生活経費を差し引いたためで、中国の派遣会社を通して合意していたはずだ。不当に扱ったつもりはない。支払いが遅れたのは、経営が厳しく仕方がなかった。現在は法令遵守に取り組んでいる」と語った。
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