金子一義国土交通相は30日、国交省の外局として10月1日に発足する観光庁の初代長官に、同省の本 保芳明総合観光政策審議官(59)が就任すると発表した。本保氏は観光行政の「顔」として、10年までに訪日外国人旅行者を1000万人に増やす政府目標 の達成などを目指す。本保氏は現職で観光行政の実務を取り仕切ってきたうえ、日本郵政公社理事時代に経営感覚も身につけていることから、適任と判断され た。ただ、官僚の起用は、野党の批判を招く可能性もある。【太田圭介】
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本保芳明氏(ほんぽ・よしあき)東京工大大学院修了、74年旧運輸省入省。日本郵政公社理事などを経て07年7月から国土交通省総合観光政策審議官。新潟県出身。
毎日新聞 2008年9月30日 東京夕刊
国土交通省の外局として観光庁が1日発足する。01年の中央省庁再編の後、「庁」が新設されるのは初めて。観光立国の実現に向け関係省庁の総合調整を担い、10年までに訪日外国人旅行者を1000万人にする目標の達成などを目指す。
観光庁は、国交省内の関連部署を再編し定員を79人から103人に増やして新設される。海外からの観光客を増やすため、競争力のある観光地を整備するとともに、海外に向けて日本観光の魅力を発信する。
訪日外国人旅行者は、官民挙げた「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の効果で毎年10%前後の伸びを示している。07年は前年比13.8%増の835万人と、1000万人の目標達成は視野に入っている。
このため、観光庁は「2020年までに2000万人」という新たな目標も設定する見通しだ。実現した場合、外国人旅行者の消費額は4.3兆円、直 接的な雇用効果は39万人と、いずれも06年の約3倍に増えると試算されている。ただ、大幅に増える外国人旅行者の受け入れ態勢は十分か、中国など新興国 からの旅行者に厳しいビザ制度の緩和は可能か--などといった課題も指摘されている。【位川一郎】
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