アルプス電気は自社の技術・技能の研修施設で、受注先企業や地元の教育機関など社外の人材を受け入れる。得意先や地域との連携を密にして製品設計・製造の効率化や人材確保などに結びつける。技術・技能研修を外部に開放するのは珍しい。
北原工場(宮城県大崎市)に設けた技術・技能継承・向上を担う「技能研修所」で外部の人材を受け入れる。同研修所ではコアテクノロジーと位置付ける金型 の設計・製作を中心に、成形、3次元CAD、品質工学などの研修を行っている。社内や国内外のグループ企業の技術者を主な対象にしていたが、08年から得 意先や地元の大学、工業高校を受け入れることにした。
第1弾として音響機器メーカーと、その協力企業の部品メーカーの設計技術者を受け入れた。地元の岩手大学や古川工業高校からも研修生を受け入れ、地域貢献や人材確保にも結びつける。
研修では金属プレスや樹脂成形用の金型の基本構造や、金型の製作工程、成形、トラブル対策などの基礎知識習得のほか、実際に金型を分解、清掃して 組み立てるなどの実習も行う。「知識習得も必要だが、体で覚える研修が効果的」(税所誠技能研修所所長)という。3日間のコースを基本とし、要望に応じて 数カ月にわたる研修も実施する。
製品の設計技術者に金型の知識が乏しいと、金型として製作できない形状や、製造コストや加工性で不利になる設計をする場合がある。金型や部品加工メーカーと検討した結果、製品設計をやり直すといったムダが発生しリードタイムが長くなる。
このため、金型設計・製作を考慮した製品設計力が必要となる。こうしたことから、同社は金型に関する技術・技能の研修に力を入れている。
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