2008-09-08

労基法違反急増66件 昨年の県内 「残業代なし」告発も 外国人技能実習生

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労働局、経営者に改善要請へ

 外国人研修・技能実習制度に基づき、事業所で1年間の研修を受けて仕事に就く外国人技能実習生について、事業所が残業代を支払わなかったり、最低 賃金以下で働かせたりするなどの労働基準法に違反するケースが、県内で増加していることが広島労働局の調べでわかった。同労働局は9月上旬にも、実習生の 受け入れを仲介する約100団体に対し、労務管理の徹底を要請する。

 県内の外国人技能実習生は、2006年3224人、07年4603人、今年3月末で4854人と増加し、愛知、岐阜両県に続き全国で3番目に多 い。受け入れ事業所数も、06年630社、07年911社、今年3月末は960社と増え、特に、県の主要産業の一つである造船業で、溶接や塗装に携わる実 習生が約3割(1501人)を占める。

 実習生が増えるのと並行するように、残業代不払いなどの同法違反が05年9件、06年25件、07年66件と増加。08年3月には、技能実習生の 中国人女性2人に残業代計約45万円を支払わず、3年間の保存が義務付けられているタイムカードを廃棄するなどしたとして、呉労働基準監督署が呉市の加工 会社と同社社長を同法違反の疑いで書類送検している。

 また、「残業代が支払われていない」など、実習生による労働基準監督署などへの内部告発の件数も、県内では06年は1件しかなかったが、07年になって15件に急増した。

 広島入国管理局によると、失踪する研修生や技能実習生は全国で06年1849人、07年3314人に上っている。また、事業所などを相手取り、実習生が未払い賃金返還を求める訴訟なども各地で起こっている。

 このため、同労働局は近く、事業所に実習生を仲介する組合などに対して、法律の順守と事業所に対する指導を徹底するよう求める。24、26日には、広島市と福山市で行う県経営者協会の懇談会で、経営者に対して直接、外国人実習生の労働環境を考えるよう要請する。

 同労働局の落合淳一局長は「法を守るのが大前提だが、外国人実習生を受け入れる事業所だけでなく自治体や経済界も対処策を考えるべき」と話している。

<外国人研修・技能実習制度> 発展途上国などの産業振興の担い手となる人材育成を目的に、外国人労働者を受け入れる国際協力活動で、財団法人国際 研修協力機構が運営。1年間の講義・実務研修を受けて、2年目から実習生となり、労働者として技能実習を行い、技術や知識を習得する。


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