2008-09-01

世界最高層複合ビル「上海環球金融中心」30日、本格始動へ

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森ビル株式会社(東京都港区 森稔代表取締役社長)は、上海の新たなランドマークとして注目を集める「上海環球金融中心」(上海ワールドフィナンシャルセンター)の正式オープンを2日後に控えた28日、記者発表会を行い、一般に先駆け国内外のメディアに内部を公開した。

「上海環球金融中心」は、中国および上海市政府が戦略的に開発を進める浦東新区の陸家嘴金融貿易中心区に位置する、地下3階地上101階建て、高さ492 メートルの超高層複合ビル。総工費1,150億円をかけて建設された。世界一の高さ(474メートル)を誇る展望台のほか、メインとなるオフィス (7-77階)、世界最高層ホテルとなるパークハイアット上海(79-93階)、フォーラム施設やメディアセンター、商業施設を擁する「垂直型複合都市」 として、このビルを「上海を象徴する国際金融センターにとどまらず、世界に向けた経済・金融・文化・芸術の情報発信拠点にしていきたい」(上海環球金融中 心有限公司 森浩生董事長)考え。

「上海環球金融中心」は、森ビルが1998年に竣工した「上海森茂国際大廈」に続く上海二つ目のプロジェクトとして、97年に着工。しかし、アジア経済危 機による影響で一時工事の中断を余儀なくされた。森稔社長は会見で、アジア経済危機に加え01年のアメリカ同時多発テロ事件や03年のSARS発生により プロジェクトに対して懐疑的になった投資家が投資を引き揚げた結果、同社のストックシェアが当初の30%から80%に達したことを挙げ、「逆風の中にあっ ても完成までの14年間に撤退を考えたことは一度もなかった。北京オリンピック開催や改革開放政策30周年、日中平和友好条約締結30周年と色々な意味で 今年はベストタイミング。完成後の本格稼働に際しても上海の発展と繁栄を全力で支援する」と述べた。

オフィス部分は三井住友銀行、みずほコーポレート銀行など金融機関を始め大手企業25社と契約済み。すでに6月から一部テナントは入居を開始しており、 10社ほどが入居を終えている。現時点でのオフィス稼働率は45%、一年後に90%の稼働を見込んでいる。1日あたりの賃料は平均で約3ドル/㎡。浦東新 区の周辺オフィスビルと比較すると群を抜く高さだが、「ハイスペックオフィスへの需要は高いと見ている。12年で投資額を回収する見込み」(森浩生董事 長)と自信を覗かせている。

展望施設は94-100階までとなっており、100階に位置する高さ474mの展望台は、カナダ・トロントのCNタワーを抜き世界一の高さとなる。長さ55メートルの展望ブリッジは床の一部から下界を見下ろせる造りとなっている。100階展望台への入場料は150元/人。

また、今年度、北京とならんで中国初のパークハイアットホテルとなるパークハイアット上海は、全客室から黄浦江と浦東の眺めが望めるようになっており、スタンダードルームの広さも55~60㎡と上海一の広さを誇る。宿泊料はスタンダードルームで1泊5,000人民元。

30日の展望施設オープンを皮切りに、1日には上海パークハイアットが営業を開始。飲食店などの商業施設も順次オープンしていく予定。
(上海支局記者 辻美穂)
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