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先月、東京都内で開かれた世界最大級のアニメの総合見本市「東京国際アニメフェア2009」に、今年初めて中国のアニメ企業が参加。日中合作アニメも会場にお目見えした。
今回ブースを出展したのは中国文化省。参加企業には中国中央電視台(CCTV)傘下の北京輝煌動画公司など、中国を代表するアニメ企業が含まれている。
出展責任者で文化省文化市場司副司長の張新建氏は「中国のアニメ市場は千億元(約1兆5千億円)規模に成長した」という。背景にあるのは、アニメを基幹産業として育てようとする政府の強い姿勢だ。
04年、テレビや映画を管理する国家広播電影電視総局(広電総局)が国産アニメのテレビ放映を60%以上とするなどの目標を掲げ、アニメ産業振興を打ち出す。これを受け、数万平方メートルの敷地を有する生産拠点「動漫産業基地」が全国17カ所に誕生。アニメ企業も5400社以上に急増した。06年、広電総局は外国アニメのゴールデンタイム放映を禁止。日本アニメを締め出した。
その結果、「04年に2万分間だった中国アニメの年間制作量は、08年には13万分間にまで急増した」(上海ゲン(火へんに玄)動カ(「上」の下に「下」)通衛視の李世雷総裁)。
だが、ソフト産業の発展は単純に生産量では計れない。張副司長は「制作者は多いがクリエーターが少ない。オリジナリティーのある作品も少ない」と現状を分析する。また、キャラクタービジネスなどのノウハウも乏しい。フェアに合わせた日中合同のシンポジウムでは、中国側参加者から「派生商品を生み出す産業チェーンを学びたい」という切実な訴えが続いた。
一方、日本のアニメ産業も、経済成長が続き青少年人口も多い中国に注目している。しかし市場からは広電総局によって締め出されたままだ。
両者の思惑が一致した形で実現したのが「日中合作」という流れだ。その第1号が5月からCCTVで放映される全52話の「三国演義」。玩具メーカーのタカラトミー、北京輝煌動画公司、日本の映像企画制作会社フューチャー・プラネットが制作。登場人物の服装や背景の建物まで史実に忠実に再現した。
タカラトミーの佐藤慶太副社長は、「『日中合作』の狙いはアニメ制作にとどまらない。マーチャンダイジング(商品化計画)や販売促進活動など、中国で新たな産業モデルを生むことが最終目的です」と語る。
張副司長は、条件さえ整えば来年以降もフェアに参加したいと語る。「中国アニメの発展を閉鎖的な環境で行ってはいけない。アニメ先進国の経験に学ぶことで、中国アニメも自らの特徴を見いだすことができるのですから」(竹端直樹)
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