2009-04-20

【挑む中小企業】大連思派電子(2009年4月16日付け)

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IT受託中国受け皿

 中国・大連に集積している情報技術(IT)産業が、海を越えてシステム開発を外注するオフショアサービスの一大受け皿となっている。主要顧客は日本企業。海外委託による開発コスト削減や危機管理などの需要が背景にある。

 現地ベンチャーの一角、大連思派電子(大連市)も営業力強化を狙い、日本進出を計画。日本貿易振興機構(JETRO)や県の現地事務所と関係を築き、2007年1月に初の海外支社を横浜市神奈川区に構えた。取引先を徐々に増やし、08年度には早くも黒字転換。09年度も20%程度の増収を見込む。

 「不況でも日本に学ぶことは多い。日本の技術、中国の人口という強みを相乗させれば機会はある」。臧義政支社長は確信する。

 金融向けシステム開発が主力で、将来は設計段階にも関与できる技術力の向上が目標。5年以内に年商8億円、中国と日本の合計で3百人態勢への拡大を目指す。将来的には日本支社の法人化も視野に入れる。

 IT産業育成に力を入れてきた大連では、同業者は数百社に上り、競争も激化している。人民元の切り上げ問題も将来的には対中投資のコスト押し上げをもたらし、収入の圧迫要因になりかねない。臧支社長は「課題が目の前に迫ってから手を打つのでは遅い。成長基盤をつくり、まねのできない価値を生むよう努める」と力を込める。

 ◆大連思派電子(スーパー・エレクトロニクス) 日本向けITオフショアサービスなどを手掛ける。2004年設立。資本金5000万円。本社・大連。日本支社・横浜市神奈川区東神奈川1の1の8。電話045(453)7300。
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