2009-04-20

パナソニック、ベトナムと中国に企業内大学を開校

:::引用:::
 パナソニックが、月内にもベトナムと中国に「企業内学校」を開校することが17日分かった。現地でマネジャー、リーダークラスの人材を育て、製造力の向上につなげるのが狙い。同社が海外に企業内学校を設けるのは初めてで、基幹人材の現地化に本格的に取り組む。産業界では社員教育を通常の業務内や研修活動で行う企業が多く、海外に企業内学校を設立する取り組みは異例だ。

 ベトナムの「モノづくり大学校」は4月21日、中国の「製造技術学院」は同23日にそれぞれ開校。いずれも両国に展開するグループ企業の社員が対象で、通常の研修活動とは異なり、将来のマネジャー、リーダー候補となる優秀な人材を集中的に教育する。両校に通う社員には給与が支払われるが、在学期間は働く必要がない。

 ベトナムのモノづくり大学校は統括会社のパナソニックベトナム(ハノイ)敷地内に開設。同国に展開する製造系4社の社員を対象に、初年度は約80人が受講する。基礎(2カ月間)と応用(6カ月間)の2コースが設定されており、6カ月コースで約1000時間のカリキュラムが組まれている。

 パナソニックの中でもベトナムは設立間もない新しい工場が多く、モノづくり大学校では製造現場のリーダー、サブリーダーを育てることを目的にしている。

 一方、中国の製造技術学院は、現場のリーダーよりも上のクラスのマネジャー級の幹部社員を育成するのが狙い。浙江省杭州で白物家電を製造している生産子会社内に設け、今年度は23人が1年間(約2000時間)にわたって経営管理能力や製造現場を改善するための実践力などを学ぶ。

 同社は70年以上前から社内に社員の教育・訓練組織を設け、人材教育を進めてきた。海外工場で働く現地社員についても平成3年から日本に招き、研修を実施してきたが、グローバル化が進むなかで「製造部門での人材育成について現地の需要が高まっていた」(パナソニック人材開発カンパニー・松本潤社長)ため、企業内学校の設立に踏み切った。

 海外での人材確保が急務になるなか、パナソニックの取り組みは業界に産業界に影響を与えそうだ。

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