2009-04-22

ベトナムの2009年度GDP成長率予想は5%前後に収斂

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ベトナム経済や株式市場が順調な時には非常に強気の予想を出し、軟調な時には非常に弱気の予想を出してきているHSBC(香港上海銀行)を初め、日本経済新聞などもベトナム内需の意外に“したたかな”力強さに着目し始めているようです。09年度の第一四半期の小売・サービス業売上高が前年同期比で22%の増加を記録し、3月の新車の販売台数も前月に比べて大幅に増加をしています。

  HSBCは09年年末時点ではベトナムのGDP成長率が6%レベルまで回復する可能性に言及しています。ここ半年の経済刺激策(基準金利の大幅な引き下げ/中小企業への年利4%での融資支援策(なんと中小・個人企業の96%が融資対象になる支援策。まさに今日本で緊急の課題になっている政策がベトナムでは既に実施されているのです)/法人税・個人所得税の減免・納期延期/ドン安誘導による輸出競争力支援等)が効果を発揮していくという見方です。中国に続いて成長軌道を回復するのはベトナムではないかと見ています。

  アジア開発銀行(ADB)の予測でも、10年には6.5%の成長を実現し、アセアン(東南アジア諸国連合)の中で最も成長する国になると言われています。これから来るであろうアジア・アセアンの世紀の中で、ベトナムにますます注目が集まることでしょう。

  その他の国際機関/金融機関の09年度のベトナムの成長率予測をまとめておきましょう。IMF(国際通貨基金)は4.75%(中期的な投資先としては魅力的)、スタンダード・チャータード銀行は4.2%(10年は5.5%)と予想している。一番低い予想は、英国の有名雑誌「エコノミスト」の0.3%という記事になります。この数字の根拠は、輸出の大幅な減少+失業率の大幅な増加と内需の低迷+直接・間接の外国投資の大幅な減少+政府の景気刺激策の効果不確定というものでした。とりあえず第一四半期を見る限り、この有名雑誌の記事は忘れてしまっても良いように思います。

  逆に、スペインの調査会社は、05年から25年の20年間のベトナムの年平均成長率が8%になり、世界でも最も成長する国になると発表しています。中国・インド・フィリピン・トルコを加えた5ヶ国が今後15年間の高成長国候補だということです。“CI&VPT”などと呼ばれるようになるかもしれませんね。。。楽しみです。(執筆者:福森哲也・ティンベトコンサルティング取締役会会長)
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